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8.波形に戻してみましょう(D/A変換)

 

前のページで、赤い波形が数字になりました。デジタルの世界では、音楽も数字になっているんですね。

でも体温と違って、音楽は数字のままでは人間に役に立ちません。元の連続したアナログ波形に戻す必要があります。そうしないと「音」にならないからです。

そこで、数字から元の波形に戻すことをやってみましょう。

元に戻すには、まず変換の時に使ったのと同じメッシュを用意します。そして数字を波形の高さに変えて行きます。この作業は、普通はICで数字を電圧に変えたりします。

 

 

さあ、数字をメッシュ上に置いてみました。なんか飛び飛び、というか点々ですね。数字と数字の間がつながっていません。そりゃそうです。メッシュの間には情報が無いんですからね。

このスキマ。どうしましょうか。

実はいろいろなやり方があるんですが、ここでは一個のデータが来て、次のデータが来るまでの間、前の高さを保持することにしましょう。これはわりと普通のやり方です。

 

 

さあ大分雰囲気が出てきました。

このように、CDプレーヤなどでは、数字をいったん電圧の階段波形に変換することが多いんですが、ここまでの段階のことを、デジタルからアナログへの変換、つまり「D/A変換」と言います。

 

ただしこれは、数字を電圧に置き換えたという意味で、まだ元の波形とは違ってゴツゴツしてまよすね。元の赤い波形のように滑らかではありません。

今回は難しいので説明は省略しますが、このゴツゴツは「フィルター」という仕組みを使って丸めれば、波形が元通りになることが証明されています。

そこで、このゴツゴツの波形を、フィルターを使って丸めてみます。

 

 

さあできました。波形は滑らかになりました。この青い波形が、デジタルの数字をアナログの波形に戻した結果です。見た目、元の波形とそっくりですね。

先程、ゴツゴツの波形をつくるところまでをD/A変換と言いましたが、このようにフィルターで丸めることまでを含めてD/A変換と言うこともありますので、覚えておいて下さい。

いずれにしても、数字のデータから、連続したアナログ波形を作ることを、D/A変換といいます。CDプレーヤの出力は、もちろんフィルターを通した滑らかな波形になっています。

 

(制作/著作 かないまる 2000年7月15日)

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