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1.ごあいさつ

 

えー、公民館のほうからデジタルの基礎についてお話をして欲しいというご依頼をいただきまして、今日開講となりました。

依頼元である公民館のSさんはパソコン通信仲間でして、いろいろ借りがありまして…、あ、貸しもあるんですが、まあ、特に断る理由もありませんのでお引き受けしました。

最近はインターネットを使って仲間を増やす方もいらっしゃるでしょうね。パソコン通信というのは、少し前まで通信コミュニケーションの主流で、私もこのパソコン通信で友人がたくさんできました。そういう方からのご依頼というのも、なにやら、まさにデジタルって感じで、なんだかいいですね。

 

さて、開講の前に自己紹介をしておきましょう。

私は現在ソニーのオーディオ事業部ということろで、アンプやCDプレーヤを設計しています。特に、Rシリーズといって、音にうるさい方向けの高級機を設計してきました。Rシリーズは高額商品ですが、比較的安いところでは、5000シリーズというのも設計しています。

 

 

これは雑誌の広告ですが、CDP-X5000というモデルです。これとペアになるアンプのTA-F5000のも私の設計で、今日、音出しに使うアンプはそのアンプです。

というわけで、CDプレーヤは私の専門の一つですが、CDプレーヤは家庭に完全に普及した最初のデジタル機器です。私にこの講座の依頼があったのも、そのへんが理由らしいです。

 

そんなわけでデジタル講座ですが、どんなことをやるかを最初に言います。

デジタルという言葉、最近はごく普通に耳にするようになりました。

音の記録はCDやMDなど、ほぼデジタルだけになりましたし、映像や画像の記録のように、アナログの方式が中心の分野でも、デジタル方式がどんどん出てきています。

通信分野もどんどんデジタルになっていますね。電話も皆さんの家庭から相手までの間のかなりの部分がデジタル伝送です。ISDNや携帯電話、PHSは、端末からいきなりデジタル伝送ですね。

一番遅れているのが、多分テレビ放送ですが、これも12月からBSデジタルが始まりますし、地上波放送もデジタル化が目の前です。

そんなわけで、デジタルというのは、実はかなり普通のことになってきています。ですので、いろいろな機械を並べて片っ端から解説してもしょうがないので、もう少しデジタルの根本的なところを勉強してみようと思います。

つまり、デジタルになるとなぜいいんだろう、なぜ便利になるんだろう、その基本を理解してみようというのがこの講座です。

基本を理解すれば、応用が効きますからね。

 

(制作/著作 かないまる 2000年7月1日)
(字句修正 2000年7月15日)

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