ウッドラケット

ウッドのパターン その1)。
カワサキ・ドネーのパターン (メジャーなパターン)

初稿 111217


現代のラケットは、ラケットごとにストリングパターンがちがいますが、標準サイズ(69平方インチ)のウッドラケットは、たった二つしかないようです。これはウッドフレームに溝を掘ってストリングを保護すること、基本的にフレームが木製、ストリングがナチュラルかナイロンだったため、圧倒的に自己主張するフレームやストリングというものがなくて、基本としてたった二つのパターンに集約していたのだと思います。

このラケットを二本張りするパターンも、したがって基本は二つのパターンがあるだけです。

1) カワサキ・ドネーパターン



ウッドのパターンのうちで最も多いのが、カワサキ、ドネー、ウィルソンが採用していたパターンです。割合でいえば9割のラケットが以下にご紹介するパターンだといえるでしょう。

ウッドはストリングを保護する溝を持っていて、溝にしたがった張り方しかできません。そこでまず溝をながめてみましょう。





これが基本の溝です。画像はカワサキのラケットです。ラフ面を正面に見てトップを手前に倒して溝をながめると、右半分に「VV」溝を持ち、左半分には斜め溝しかありません。

メインはトップの中央スタートするのは普通。クロスのスタートは○です (スターティングノットは△です)。

ほとんどのラケットが上の画像と同じですが、かないまるが所有するドネー製 (数本所有) ボルグプロはなぜかグリップエンドのマークが上下逆のものが一本だけあります (製造ミスのような気がします)。ラフスムースを逆にするか、右上から張ればOKで、たいした問題ではありません。

台湾製のHOKUSHIN SPORTS / PiONEERというもので、裏表が上下逆というものもありました。つまりラケットの下に鏡を置くと通常の溝に見えます。張るときの手順は通常と全く同じです。

この1)の変形として、フタバヤ・ダンロップパターンがあります。







「VV」溝の左 (黄色の矢印の部分) に、溝が一本追加されているものです。手持ち品ではフタバヤのレギュラーサイズとダンロップのものが各一本ずつこのパターンでした。フタバヤとダンロップがこのパターンを基本としていたかどうかは数が少なすぎてわかりません。追加された溝の意味もわかりません。

以上見てきた溝パターンに適合するストリングパターンが、次の画像です。



まず、メインはラケット先端の中央からスタートして、ラケットのトップ側は1〜9番メインまで連続したホールに通します。グリップ側は8番と9番の間を一個飛ばして張ります (飛ばした孔はクロスのタイオフホールになります)。

二本張りのクロスのスタートは左上 (フレーム面の画像の○) で、グリップ側でタイオフします。

ウッドのパターン、その2
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