ストリンギングの記録
テニスラケット編
〜錦織張り〜
アルパワーフローロ+レプロスをRIM1.5に張る
後編
初稿 111120
クロスに入ります。ストリングはナイロンのレプロス。長さは5.5メートル (8ラケット) です。
まずクロス2番→クロス1番を通します。
1番のストリングはテンショナーにちゃんとかかる長さで最短。1、2番を二本引きし、1番クロスのフレーム外にスターティングクランプをつけます。フレーム内でも1番クロスの左端でクランプします。
3番をプリレーシングして2番を51ポンドで引き、クランプします。
通常の一本張りではクロスのテンションはメインより下げますが、今回は錦織選手スタイルに習い、メインより1ポンド高い51ポンドを採用しました。結果的にこれでラケットの変形が全くありませんでした。
クロスのスターティングクランプをいつ外すかはいろいろな流儀があるのでしょう。多くの方はクロスを全部張り終わってからおもむろに外すと思います。
しかしかないまるは、3番クロスを張ったところで外してタイオフしてしまいます。なぜというとスターティングクランプが邪魔でしょうがないからです。引っかけてクランプを外してしまったり、ストリングに傷をつけてしまう恐れもあります。
1番クロスを51ポンドで引いてスターティングクランプを外し、そのあとタイオフ用に4〜5ミリ引き足します。
タイオフです。クロスもダブルノットにしました。
クロスを張り進めます。引いたあとは、通常はオウルでメインを叩いてメインの位置を中立にしますが (たとえばこちら)、今回は滑りやすいメイン+柔らかいクロスのため、スカッシュラケットと同じように、メインを指でハープ弾きするだけで引っ掛かりは簡単に抜けました。
このあとのクロスのテンションは、
- ラケット中央まで同じテンション (今回は51ポンド)で張ります
- ラケットの中央をこえてから最初にグリップ側をマシンの左側に回したところで、マシンテンションを1ポンドダウンします。
- 以後、グリップ側をマシンの左側に回すごとに (つまりクロス二本張るごとに)、さらに1ポンドずつダウンします。
- 最後のストリングだけはタイオフのときのスキマをとるために、一つ前のクロスと同じテンションで引いたあと、4〜5ミリ引き増します。
としています。テンションを抜くのは、フレームに変形する余裕がなくなるため実質テンションが高くなってしまうからです。
またここで、「グリップを左に回したところで下げる」のはかないまる流です。どのタイミングで下げるかをきちんと決めなおかないと、下げ忘れたり、同じクロスで二回下げて2ポンド落としてしまったりするので決めています。
最後のタイオフです。クランプの右側のクロスが緩んでいて、左側が手前のストリングよりきつくなっているのがわかりますね。これは4〜5ミリ引き増ししてあるためで、タイオフ後にクランプを外すと手前のクロスと同じ状態になります。
完了しました。マシンからラケットを外したときの感じでは、ラケットの横幅は完全に元に戻っていました。
一本張りではクロスのテンションを下げないと、ほとんどの場合ラケットの横幅が小さくなるような変形が起こります。しかし、クロスのストリングがメインより柔らかい今回の二本張りでは、クロスのテンションをメインより上げるのが正解のようです。
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打感です。
非常に柔らかく、打感はマイルドです。ポリとナイロンの複合というよりは、柔らかいポリという感じがしました。
コントロール性はテクニのプロレッドコードとかなり違います。テクニだと面の向きよりはラケット面の移動方向に球が飛ぶ感じです。なのでラケットは回転運動よりは平行移動を意識したほうが狙いが定まりやすいです。しかし、今回のストリングでは面の向きに少し強めに反応しました。
メリットは、相手の打球が速すぎてラケットの移動量が少ない場合、プロレッドコードでは返球の方向が定まりにくいことがありますが、アルパワーフローロ+レプロスでは面の向きを修正するだけで希望の軌跡に修正できる感じで、その点は秀逸でした。
その代わり余裕があって強打できた場合は、なにか飛び方が淡々とする感じで、ガツっとこないもの足らなさはありました。
強打での回転は、トップスピン、スライスともにかないまるの腕では十分にはかけることができませんでした。しかしドロップボレーのような弱い返球では、面と接触している時間が長いせいか強いバックスピンをかけることができました。
総じてコントロール重視のパターンのような気がしますが、ガツっとこないのはクロスにもう少しきちんとしたのを使えばよいのかもしれません。でもナチュラルは高いしなあ。
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