川端さんの張り方
川端張り
初稿 140223
国内でのテニスのストリングの張り方は、圧倒的に「ゴーセン張り」か、その小変更だと思います。この張り方は、クロスを下から上に張り上げるのが特長で、実行長が短くなってからクロスと交差するトップ部分のメインが強くなるようで、張り上げた直後トップの打感が硬くなる傾向を感じます。
もっとも、テンションを手先でコントロールしてその傾向を軽減する腕を駆使てるストリンガーさんもいるようですが。
そういうわけで、ゴーセン張りに若干の疑問を感じていたときに出会ったのが、コラムにも書いた川端隆史さんのストリンギングでした。ロンドンオリッピックの公式ストリンガーを勤めた川端さんは、錦織のラケットも張ることになったそうですが、その川端さんの張り方を見学する機会がありました。
果たしてその張り方はゴーセン張りとは本質的に違い、クロスをトップから下に向けて張り降ろしていました。
本稿でいう「川端張り」とは、かないまるが説明の都合で命名したものです。分類上はATW(アラウンド・ザ・ワールド)方式の一種です。
川端さんは気さくなかたで、ストリング実演中にいろいろと詳しくお話しをうかがうことができましたが、川端さんによると、海外ではATWを使ってクロスを上から下に向けて張り降ろすケースはとても多く、ゴーセン張りはあまり採用されていないとのことでした。つまりゴーセン張りは、世界的には標準ではないということです。
ちなみに、プロ選手はほとんどがハイブリッドです。メインとクロスに別のストリングを使いますのでクロスは上からでも下からでも張れますが、多くの公式ストリンガーが上から下に張っているそうです(選手はテンションやストリングの種類にはこだわりますが、張り方や張り方向はストリンガー任せだそうです)。
川端さんのATWは、これまでに何度か試しましたが、かないまる自身は張り方の決まっている「ハイパーハンマー3.1」を使っていたので、ほぼ丸一年本格的なフォローができないでいました。
ところが昨年の秋からラケットを「ウィルソン・ファイブ103」というわりと普通のタイプに変更したのを機にストリンギングの練習を開始。
その結果、打感が柔らかいのにボールにパワーが乗る。ボールコントールが上手に出来るなど、初中級者のかないまるにもゴーセン張りより優れていることがはっきりわかりました。
それでは、一流選手御用達。川端さんの張り方をご紹介しましょう。
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