100均商品で作る
200円でカムアクションプライヤーを自作
〜紹介編〜
初稿 111122
続いてカムアクションプライヤーを、材料費200円 (接着剤、やすり代をのぞく) で作ります。
以下「カム・プライヤー」とします。リペアプライヤー、ペリカンなどとも呼ばれるようです。
カム・プライヤーは、タイオフするときにストリングを引くための工具です。
まず市販品で形を見てみましょう。
これバボラ製です。バボラの名称は「リペアプライヤー」です。
テクニファイバー製。名称はカムアクションプライヤーです。
かないまるがこのツールを初めて見たのは、テクニファイバーのストリンガーさんがテニススクールでストリンギングのデモをやってくれたときのことです。楽々とタイを絞っているのを見て感動的衝撃を受けました。なんと便利なんだ…。
ゴーセンには商品がないようですが、ゴーセンの「張人」認定者であるテニスのコーチはバボラのプライヤーを買って幸せになったそうです。
さて、このツールはとても高額な商品です。バボラは13,000円で通販されているようです (本稿記載時点で在庫がありませんが)。テクニのも安くないでしょう。
ここに工作をする意義があります。後述しますが、ダイソーのペンチと丸棒を使うと市販品より使いやすいものが作れます。ハンドグラインダーが必用ですが、これが5,000円くらいで買えますから、このプライヤーの工作のために買ってもお釣りがきます (ハンドグラインダーは購入すればいろいろ使えますので無駄にはならないでしょう)。
さて、自作品が市販品より使いやすいと書きましたが、それは本当です。
まずテクニとバボラは構造が似ています。つまり楕円形の樹脂 (硬質ゴム?) 部分を鉄板で挟み、プライヤ部にビス止めしてあるというものです。同じ構造なので共通の問題点があります。
それは、
- カム側面の金属が出っ張っているので、時としてフレームに触ってフレームを傷つける恐れがある
- カム部が硬い (ラケットのフレームを割ってしまわないかと怖がっている人がいる)
- プライヤの根元のストリングが出て来るところに、そのための逃げが無いのでストリングがつかみにくい。
- プライヤを開くバネがない
まあ、ヤットコにコブをつけたようなものですからね。工具としてはそもそもかなり素人くさいしろものです。
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というわけで自作です。
比較的簡単に市販品よりよいものが作れます。
これはすでに何度かこのページに登場している自作のカムプライヤーで、プライヤーの先端に木製のカム (丸棒をスライスしたもの) を接着して取り付けただけの簡単なものです。でもとても使い易い特長があります。
まず、木製のカム部に柔らかくて厚めのグリップテープを貼り付けてあることで、フレームに優しくできています。
またグリップテープの摩擦はとても大きいので、タイオフ部分から少し離れた部分で使っても力が出ます。たとえば上の画像の角度だと市販品では引きにくいと思いますが、自作品では軽々と引けます。
ストリングを挟みやすくする工夫もしてあります。支点付近を彫り込んで、糸逃げと案内溝をつくってあるのです。このプライヤーはダイヤモンド加工がしてあるなかなかリッバなものですが、ヤットコとしては面が小さいためストリングがややつかみにくい難点がありました。そこで作業面の中央に素早く落ち着くように工夫したのです。
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さて、この自作品は、見てすぐにわかるように簡単な構造です。またすでに100回以上タイを引いていますが、とても丈夫です。
次ページで作り方とバリエーションをご紹介しましょう。
(続きへ)
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