蘊蓄
ストリングの切り方
(斜めに一気に切るべし)
初稿 111113
更新 120623
ホームストリンガーのみなさんは、ストリングが切れていない状態のラケットを張り替えるとき、どうやって切っていますか。
ニッパでやる人は、無意識にメイン、クロス、メイン…と中央付近からバランスよく切っていると思いますが、ここに盲点があります。最初のカットは必ずメインとクロスの交点に刃を当てて、同時に切ってください。メイン、クロスのどちらかを切って、次に切るまでの間にバランスが崩れてフレームが痛みます。
ちなみにストリングは切れる前に張り替えるべきです。使用中に切れると切れたほうにフレームが延びてフレームにストレスがかかります。プレー中にストリングをしばしば切ってしまうる人は、ニッパを持ち歩き、直ちにストレスを開放してあげるべきです。
ニッパで交点を切るのは最低限度守るべきですが、ストリングのノッチが原因でメインとクロスのどちらかが動かずにテンションのバランスが大きく崩れることがあります。ニッパでは切り進めるのに時間がかかるので、やや危険です。
その点ハサミはバリバリと一気に複数のストリングが切れるので有利です。
ハサミを使うときは、このように斜めに入れるのが正しい切り方です。そしてメインとクロスを最低一組以上一度に切ります(理想的には数組同時にカットします)。こうするとメインとクロスが同時に開放されてフレームの歪みを小さく抑えることができます。
ハサミを入れる場所は、メインとクロスの中央です。ここから右上に切り進みます。
分解写真を作ってみました。
まず切る直前です。
切り始め。理論的には必ずメインかクロスのどちらかから切れます。この分解画像ではメインが切れました。この瞬間フレームは縦に延びます (クロスが先に切れれば、横に延びます)。
もちろんここで止めるわけではなく、ザクっと一回でメインとクロスを切ります。
クロスが切れました。これでメインとクロスのバランスが保たれたままテンションが開放されます。
メインがもう一本切れました (右1番)。
さらにクロス(9番)、メイン(右2番)と切れました。かないまる式ストリングカッターは一度に数本のストリングを切ることができますから、一気にストレスが開放されます。
もし一気に切り進めないハサミを使う場合は、まず一カ所の交点を切って穴を開け、そのあとハサミを斜めに入れて切り進む感じでよいと思います。
(以下改定)
あとは斜めにザクザクと切ります。中央から右上に切り進み、次に左下に切り下ろします。切り始めからなるべく短時間でやります。
最後に周辺に何本か残ったストリングを切って完了です。
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ここでニッパでのカットの危険についてもう一度。
ニッバで中央メインクロスを同時に切れば、それで十分にテンションが開放されるという意見もありますが、これはノッチができない打ちに張り替えてしまう場合です。アマチュアプレーヤーはかなりノッチができるまで使っていることが多く、中央を切っただけではテンションは開放されません。大概メインが先に動き、フレームが縦にのびるのが普通です。
この点ハサミでのカットは、最初に多くの本数を切れますので、よりフレームが痛みません 。
というわけで、ハサミでやるときは「ストリングは斜めに一気に切るべし」でした。
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ところで上の画像はストリングマシンに取り付けてカットしています。これはフレームのダメージを防止する一番いい方法です。どうせこれから張り替えるのですから、手間は一緒です。もちろんカット後もう一度締め力を調整しますが、最初のセットアップができているので楽です。
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