T2000:張りの実際
初稿 111101
その2) 一本目の1。メイン左まで。
ではストリングの張り込みます。二本張りの一本目をご紹介します。
必要ストリング長は全部で10m(約15ラケット)、二本張りが10ラケット+5ケットです。今回は一本張りなので10ラケット(6.5メートルくらい)をもって張り始めます。
まずグリップ側中央クラウンに上からストリングを通します。右メイン1番になります。
トップの二つのクラウンの下から画像のように通します。左メイン1番になります。
そのままストリングを引き、ラケット3本分をとります。
右メイン1番をトップ付近でクランプし、グリップ側を手で引きながらクランプの高さをクラウンと合わせます。
そのままメイン1番グリップ側をスターティングクランプで固定します。
左メイン1番をグリップ側中央クランプに上から通します。ラケットを左に少し回転させて固定します。
これはプリンスのO3などのラケットと同じ要領です。ほぼ全部のクラウンで回転固定が必要です。ストリングがクラウンの端に寄り添うように適宜回転固定して張ります。T2000はターンテーブルの固定ができないストリングマシンでは張るのが難しいラケットです。
ストリングがクラウンの右端に寄るようにセットできたら所定のテンションで引きます。
今回は56ポンドで張ります。
(一般的には40〜48ポンドくらいが使いやすいと思います)
ストリングを引く経路は、なるべく摩擦の少ないところを選びます。引いたらクランプします。
左メイン2番を張ります。
ここからは一つのクラウンのなかに二本のストリングが入りますが、
- 一つのクラウン内のストリングは上下が逆
- 隣のクラウンへは、出したのと同じ側から入れる
と理解すれば素早く張れます。
ここでT2000でとても大切な注意点。それは、一本メインを引くごとに、その前のメインが緩んでないか確認ということです。確認方法は簡単。メインを簡単おして引っ掛かりがとれないか、次に弾いてちゃんと音がするか。緩んでいると鳴らないのですぐにわかります。
確認が必要な理由は、T2000のストリング保持はワイヤ製のクラウンを、これまたワイヤでフレームに巻きつけただけの構造なので、ストリングを張るとクラウンが大幅に動き、フレームとの位置関係が変わることがあるからです。最悪の場合メインのテンション抜けになります。もし緩んだときは一度クランプを二本前まで戻して緩んだところから引きなおす必要があります。
現存するT2000は30年近く経過したもので、しかもストリングが張りっぱなしになっていたものがほとんどなので、特に古いストリングをはずした直後のラケットで発生しやすいと思います。
そのまま張りつづけて、左メイン6番まで来ました。
タイオフします。
1-08 張り(その3)へ
T2000編の目次を出す
目次を表示する

かないまるに戻る
