T2000の張り方
初稿 111101
更新 130504
ストリングの方法 (ウィルソンの資料による) その1
ウィルソンの資料 P.1
伝説のラケットT2000は、ウィルソンがユーザ(ストリンガー?)に出したFAXのコピーがネット上にころがっていたため、メーカー指定の張り方がわかりました。
まずその資料を示します。1ページ目です。

翻訳してみました。
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Wilson T2000
ストリングインストラクション
1 特別なラケットの保持方法
ストリンギングの前に、フレームの長さを1/4インチ長くなるようにマシンに固定してください。こうして張ると、張り上がったときにフレームの形がもとに戻ります。フレームトップと根元をプライヤ部でしっかり締めつけておき、最初の二本のメインを張ったあときちんと固定できていることを確かめるとよいでしょう。
(このプライヤとは昔のマシンにあった上から締める万力部のことだと思われます)
2 ストリングパターン
18メイン×18クロス
3 推奨テンション
ガット、またはナイロンに対して、55〜58ポンド
4 ストリングの長さ
18フィート0インチを一本 (5.5m)
10フィート0インチを一本 (3m)
5 ストリング手順
次ページと図1、図2を参照してください。
考察
ここで驚くのは、「ストリングを張る前にラケットを縦に1/4インチ(約6ミリ)のばす」という指示です。
柔らかい鉄フレームなのでできることですが、実際に張ってみるて、ストリングマシンの拘束を外すと同時にフレーム形状が張る前の状態に戻るのでびっくりしてしまいます。
130504追記
つまりT2000の推奨張りは、メインをクロスより弱めに張ることを意味しますが、張り始めに三回もボックスを回すので、特にこの時点でテンションをメインとクロスでいちいち変えるのは面倒で、指示どおりやるのが結局簡単です。
ラケットの保持に関しては「プライヤ部」という言葉が出てきますが、現代のストリングマシンはビリヤードとサイドサポートからできていて、「プライヤ部」はありません。かないまるが買った最初の2点式のストリンガーにはプサライヤ部が存在しましたので、30年前は二点式が普通だったのかもしれません。
ビリヤードを持つ6点式では、フレームを6ミリ延ばすことは普通出来ません。そもそもフレームの内側にビリヤードを当てることすらできません。そのため現在はサイドアームでがっちり締めつけて張るのが普通のようです。
今回かないまるは、太めの針金でフレームを引く方法を提案します。
その前にウィルソンの資料の2ページ目を見てみましょう。
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