ウッドの一本張り
別のスターティング方法
初稿 111227
今回のラケットはボルグプロ。ボルグが全盛期の後半に使ったモデルです(全盛期の前半はオールウッド・ビヨンボルグというモデルです)。全面塗装で木目が全く見えないデザインが、発表当時は新鮮だったそうです。
なおこのラケットは、グリップエンドのマークが上下逆だったので、ショートサイドを右半面、ロングサイドを左半面で張りました。すでに述べたように、メインからクロスに移るところは溝で位相を見て5穴か4穴か決めればよいので、左をショートで張っても対応は簡単で、あまり気にしなくても大丈夫です。
ドネー製のラケットはかなり持っていて、冠ボルグモデルも数本ありますが、このダブルハンドのボルグプロだけラフ・スムースが逆になっています。製造ミスだと思いますが、グリップエンドマークどおりにラフを上にするとカワサキ、ドネー族なのにロシニョール型の位相となり、5穴上げクロスパターンになります。裏返すかロングサイドとショートサイドを入れ換えて張ると、通常の4穴パターンになります。どちらでもできますが、ここではマークの上下とラフを合わせるため、ロング/ショートを入れ換えました。
さて、折角画像を撮るので、今回はウッド専用のスターティングをご紹介します。
まずトップからボトムにU字型にメインを通します。左半面サイド (今回はロングサイド) のグリップ側にスターティングクランプを装着し、手でかるく内側に引きスターティングクランプが落ちないように保持します。
そのまま反対サイドを25ポンドくらいで仮引きします。
トップ側に固定クランプを取り付けます。
わかりますね。トップとボトムが違うだけで、現代のラケットのスタートアップクランプと同じスタイル。つまり一本のストリングにスターティングクランプとテンション固定クランプを取り付けるわけです。
そのままマシンテンションをアップしてメインの最終テンションで引きなおします。今回は50ポンドにしました。
引いたらクランプ。これでスタートアップ完了。あとはメイン、クロスをバランスよく引きます。
メインの最初の折り返しには当て革を忘れないようにいれます。
メインを3回張ったらスターティングクランプを外します。そのままサイドを変えて4回張り、そのあとはロングサイド、ショートサイドをバランスよく引いて行きます。
メインの終了とクロスへ
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