かないまるの個室オーディオ 13)

銅板片によるラックの音質改善 (初公開)

その 1)
解説

初稿 180329


1)スパイクに銅板をあてて音色を調整する。



画像のように、スパイクの上に「くの字型」に曲げた銅板の小片を置き、棚板とスパイクの間に入れると、音質が劇的に改善します。銅と鉄の接触部に大きなロスが発生してクセがなくなるからです。

銅板の挿入は、このラックを使いはじめて1年目くらいでチューニングとして行いましたが、20年の時を経てみなさんにご紹介しましょう。初公開です。


2) スパイク式ラックの問題点

なぜ銅板で音質がよくなるのか。

スパイク式ラックは、オーディオ機器が歪み感のないきれいな音を再生するのを助けますが、欠点もあります。

ラックの設計にもよりますが、ボードの鳴きが目立つことが多いのです。スパイクは小さい面積でボードと当たるため、この部分には機械的ロス(=制振力)はほとんどありません。だからきれいな音がするのですが、クセとは裏腹です。



TAOCのCCシリーズラックは、スパイクの先端は尖り先ではなく若干の平坦部を持っていますが、それでも接続部にはほぼ制振の要素はありません。



ねして付属ボードは、内部に鉄粉をいれてボード自体で精神力を発揮しています。スパイクとの相性のよいボードですが、スパイクが当たる周辺は表面のメラミン樹脂が鳴くようで、その音色が全体の音質を若干邪魔しているようです。



こちらは先日ご紹介したラジアタパインを切った自作ボード。自然の響きがとてもよいボードですが、スパイク上では少し自由奔放すぎてボードの音が強めに出る感じがします。


3)スパイクとボードの間に銅板を入れるとどうなるか

かなりよくなります。付属ボードでは少し深みがます、奥行きも出るかなという程度で、ライブなリスニングルームだとその差はわかりにくいかもしれません。

今回試聴して劇的だったのが、パジアタパインの自作ボードです。

ラジアタパイン下に銅板を入れる前の音は、まずベースがあっさりして、美音ではありますがコシがない感じ。銅板を入れると、ねばりが出て音程の変わり目もとてもしっかりします。ですのでリズムがつかみやすい。

ピアノの低音部も厚くていいですね。とてもゴージャスな音が聴こえてきます。

一番すごいのがステージ感。音数が多くエアもたっぷりで、眼前に濃密なステージが出現しました。広がりもよく端から端まで音が濃くなります。

自然な響きを活かした、音が殺される印象は全くない美音になったと思います。






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