かないまるの個室オーディオ 12) アナログオーディオ 1) 除電器の自作(工作) 初稿 180222 1) 除電器とは 個室かないまるルームでは、まだアナログレコードを扱っていませんが (ほどなく扱います)、先日某所で除電器をご紹介したらバカうけしましたので、こちらでもご紹介します。 除電器グッズはアナログレコードに帯電した電荷を消去するもので、アナログオーディオには必須のアイテムです。 レコード盤の静電気は、
という二つの点で音質上大きな問題。昔から除電グッズは商品がたくさんあります。 今回はレコード盤の静電気を秒殺で除去する除電器をご紹介します。 2) 除電器の原理 レコード盤はボリ塩化ビニールとボリ酢酸ビニールを混合したものですが、絶縁抵抗が非常に高いため静電気が溜まり、それがどこへも流れることができないため大地に対して帯電します。その電圧はキロボルトというものです。バチっという音は、大気が絶縁破壊する音です。 大地といっても床や壁は大地に対して絶縁されていないので大地です。金属ラックに木製ボードの構成も大地扱い。プレーヤー本体もだいたい大地ですが、ゴムシートが絶縁体なので、レコード盤はゴムシートに載せても放電しません。また演奏中に針先の塩ビの摩擦で電荷が発生してさらに帯電することもあります。 しかし静電気が大量に発生するのは、保護袋から出すときと、ゴミをとるブラシでこすっているときの摩擦です。これがなかなかとれない。 この静電気を除去するには、
この2ステップでOKです。
3)こんなものです。 材料は、不要になったジャケット二枚。LDを処分する方も多いでしょうが、今回のものもLDのジャケットです。なければボール紙やダンボールで大丈夫。 アルミ箔は30センチ幅のものを使います。なければ途中でつないでもかまいません。かないまるが使っているのは、ドイツに出張したときに買ったもので、日本のものより厚くて耐久性がありますが、普通のものでもまあ大丈夫です。 あとは両面テープ、ふちどりとヒンジはPPテープです。 4)作り方 まずジャケットを3枚重ねて、上下の2枚のジャケット同士をPPテープで連結します。一度開いて中央のジャケットを外し、内側にもPPテープを貼れば、レコード盤を挟むスペースのある二枚連結のジャケットができます。 この内側にアルミ箔を貼ります。両面テープで縁取りし、中央にも両面テープを貼ってからアルミ箔を貼ります。 外側にもアルミ箔を貼ります。 最後にアルミ箔の短冊を作って、全部の面のアルミ箔同士を電気的につないで、保護のためにPPテープをかぶせておきます。 加工方法がわかるアップです。アルミ箔の外周はPPテープで保護します。そのPPテープをまたぐようにアルミ箔の短冊で電気的に結合します。表と裏もここでつなぎます。 つないだらその部分にさらにPPテープをかぶせて保護します。 これがPPテープです。スコッチ超透明テープ24ミリ幅というもので、アマゾンで5巻で500円くらい。セーテープは糊がはみ出すのでこの用途にはオススメできません。PPテープはアクリル系の糊で、ほとんどはみ出さないし、事務用にも常用できるのでオススメです。 5)使い方 基本的な除電方法です。 まずレコードをアルミの上に置きます。 上側をかぶせます。表面のアルミが大地に触れていれば、これで完了。もしテーブルの上でやるなどの場合は、アルミに手を触れてれ除電完了です。乾いた部屋で靴も履いていると人体が帯電していることがあるので、片足の靴を脱いで床に足を降ろせば完璧です。 靴は絶縁体なので、これを忘れると除電されないことがあります。
6)どう変化するか これでどうなるか。 まずレコード盤を持ったときの、どことなくフワっとした感じがなくなります。フワフワ管は実は体毛が静電気で引っ張られるからですが、それがなくなるためです。 音質的には、スカっとした延びのある高域と空間が現れます。 まあ、是非やってみてください。びっくりすると思います。 7)疑うなら 作る前に事前に音を確認したければ、アルミ箔を70センチくらい切って二つに折り畳み、その中にレコード盤を挟んでも同じです。 除電は一瞬でできるので、挟んだらすぐに出してかまいません。 8)ブラッシング時も ホコリブラシを使ってホコリをとる。みなさんやりますよね。でも全然とれないですよね。ブラシをわずかに湿らせればとりやすくなりますが、それでも音溝の中にホコリが残ることが多いです。 このブラシ作業を除電器の上でやれば、比較的簡単にホコリがとれます。 その11)へ ←このページ→その13)へ 目次へ かないまるwebトップへ |