かないまるの個室オーディオ 11) ラック その3) 響きのよいボードの自作 初稿 180218 1) ボードの自作について オーディオラックは固定タイプとボードタイプがあります。固定タイプは棚板が外れないもの。オーディオ全盛期に有名だったヤマハのGTラックは上面が固定、内部の棚板がボードタイプでしたか、ダボ溝があるので自作するのは少し面倒です。 これに対してボードが単なる平面板の場合は、自作が可能です。ボードを変えると音質が変わるので、その変化を楽しんだり、オーディオ機器との相性で調整したりできます。 今回使っているTAOCのラックは、ボード内部に鋳鉄の鉄粉をいれて制振しているのが特長です。制振はとてもバランスがよく使いやすいのですが、もっと響きが豊かな方が安価のオーディオ機器には向きます。 高額なボード型のラックの中には棚板がブラックホールのように鳴かないものがあり、実はオーディオが全く楽しくないというものもありますが、自作ボードを作ってみるとボードの支配力に驚くと思います。
そこで、自作の一例をご紹介しましょう。
2)材料 材料はホームセンターで売っている「ラジアタパイン」の集成材というのを使います。アメリカ産の松材ですが、合板にされるベイマツとは違う樹種で、2〜3センチ厚の板材を積み重ねて接着したのち、板材に切り出して製品になります。製品は角材を並べたような構造になります。 角材同士の継ぎ目は直線状のものと波線状のものがありますが、直線状のほうが音は素直です。 次に、ホームセンターで売っているものは乾燥があまり十分ではありません。特にアンプの上の階のボードは下から加熱されるので使い始めてから反ることがあります。反ったときはときどき裏表をひっくり返せば大丈夫です。だいたい数カ月で落ちつきます。 3)方向性を試す さて、角材を並べたようになるということは、方向性があるということです。実はランバーコア材も、中の角材の向きで音が違うんですが、スキン材のシナ材が主役になるのか、縦横は一長一短でした。どちらかというと角材を横に走らせた方が素直な音がしますかね。 これに対してラジアタパインの集成材は角材がむき出しなので、縦と横の音の違いは大きいと思われます。そこで縦と横の音の違いを聴くことにしました。 このトライアルは初めてです。 これが横目です。材料取り上有利になりやすいので、なにも考えないとこの方向で作ってしまうと思います。
縦目です。角材が前後になる方向です。材料が無駄になりやすい方向ですね。 4)聴いてみました。 まず、オリジナルボートとの違いです。 縦、横ともに開放的でエアが多くてとてもいい感じでした。今使っているBDプレーヤーが低価格打ということもあるでしょうけど、あまり制振力のあるボードよりは、自然な響きを持っている材料のほうがいいのかもしれないですね。 では方向はどうでしょう。 いや、びっくりしました。全く違う音がしました。縦目 (角材が前後方向) の圧勝です。 低音感もいいし、ステージの広がりもエア感もいい。純度感 (歪み感が少ない) までよかったです。横目のほうがよい点はなにもありませんでした。 今回はBDプレーヤーでの試聴ですが、プレーヤーは内部が左右方向で電源、回路、ドライブと機能が分かれているため、その分離がよくなり、機能ごとの振動が分離できるということが大きいと思います。つまり振動的に感度の高いドライブと電源が前足と後ろ足が同じ角材上に載っていることは大きいと思います。 もちろんデジタル回路基板も振動には感度がありますが…。 なおTAOCのラックは6点受けなので、6点全部を均等に受けたときは強度的にみて直感的に縦が有利ですが、中央の2点のスパイクを下げて四隅で受けても結果は同じでした (6点受けのほうがよい音でした)。 5) 結論 ラジアタパインの自作ボードをBDプレーヤー用として聴きましたが開放的な音がして好印象。 また角材の方向は前後のほうがよいという結果となりました。 その10)へ ←このページ→その12)へ 目次へ かないまるwebトップへ |