かないまるの個室オーディオ 4)

ハーベスのレストア その3)
ハーベスの復活

開始 180120

009) ダンプ剤をゲットしました
(180119〜21)

ダンプ剤ですが、元と同じものはおろか、ソフトドーム専用のものなどどう考えても入手不可能。なにか代替えにならないかとさがしていたら、友人のTさんから「ダンプ剤、持ってますよ」という連絡が。

Tさんはわけあってソフトドーム用のダンプ剤 (ワニス) を持っているそうです。30年ものらしいです(^〇^)スゴイ!!。かないまるが30年以上前のターンテーブル用のオイルをまだ持っているのと同じ構図かな。
    かないまるのオイルはCDプレーヤ設計時代に業者から小分けしてもらった買ったものです (私物です)。10キロ単位のものを500ccで買いましたが、それでも個人で使うには一生分にありあまる。カミさんには嫌がられる(^_^;)。結局100ccに減らして今でも持っています。



閑話休題。

これがいただいたダンプ剤です。「古いし、ハーベスに合うかどうか保証はできませんけど」という注釈つき。3ccくらいかな。


010) 塗ってみました
(180120)

このダンプ剤は「新品のドーム素材 (布材)」 に塗る濃度に希釈してあるとのこと。「どう塗ればいい?」と聞いたら、「ツイーターをろくろで回して筆でグルグルと塗るのがよい」とのこと。昔雑誌で読んだなあ、その塗り方。でも不可能なので、筆で丁寧にぬることにしました。

驚きました。音を出しながら少しずつ塗りましたが、一筆塗るごとにシンバルやブラシが聴こえてきます。ダンプ剤は高域特性を出す主役だ という考えはどうやら正しいようです。



全面に塗布完了しました。まだ乾燥前です。ピカピカです。ドームの繊維も見えています。

ただ、ここで問題がひとつ。乾燥前なのにすでに大変にバランスがよいのです。乾燥するとバランスが崩れる不安が…。

不安は的中してしまいました。時間が経つにつれて高域が立ち、一時間後には大分硬い音になってきました。溶剤が抜けて硬くなってきたんですね。

このまま硬くなってはかないませんので、いったんダンプ剤を除去することにしました。前回の動画とおなじようにアルコールで除去しました。

除去も音を聴きながらやりましたが、ダンプ剤が抜けるにつれて今度は音が柔らかくなってきました。実におもしろい!


011) シンナーもゲット
(180120)

ダンプ剤を薄めないとだめということですね。アルコールで薄めてもよさそうですが、Tさんに相談したらシンナーを分けてくださいました。

まず原液を3倍に希釈。かなりサラサラな感じ。これを音を聴きながら、複数回に分けて塗って仕上げる計画。一回塗布。乾かしてもう一度塗布。そうしたら…

キター!!

きちゃいました。ヤバイです。すごくいい音。ただし困ったことに二回目の塗布直後なんです。この音、生乾きでしか出ないんだろうなあ。明日はもう聴けない?。

…。聴けませんでした(^_^;)。また硬くなっちゃった。

ダンプ剤をまた落として、ダンプ剤にはさらにシンナーを足して (もう何倍かわかりません) 本当にサラサラ。

これを3回塗って乾燥したらかなりいい感じになりました。もうあと少しな感じ。ただ、塗りすぎてまた硬くするのはもう面倒。

そこで表面をよくみると、見た目でダンプ剤が薄いところがあります。ダンプ剤はワニスなので、塗れたところは輝きがありますが、その輝きが少ないところがある。そこに一塗りしては乾燥 して音を聴くことを繰り返しました。

これ丸二日かけてやりましたよ。

そして表面が均一に見えるようになるにつれて音質もよくなってきました。





最終の姿です。きれいでしょう。原液塗布のときは古いダンプ剤がムラとなって残っていましたが、そのムラもかなりきれいになってきました。


012) 最終的な音質
(180120)

まあ、音を効きながら塗り重ねたので当然ではありますが、大変にいいバランスで鳴っています。20年以上前に、実家の自室で鳴らしていたときの音を思い出しました。

ストレスがなく、ふっくらとした音で音楽が聴けるのがこのスピーカの持ち味。声の響きがとてもよく、ロック、ポップス、クラシックを選ばず臨場感がとても自然です。また仕事がらついついチェックしてしまうような要素も全部ちゃんと聴こえてきます。

実はこの時点でも一日ごとに音が微妙に変わるので、まだ乾燥が続くのでしょう。またダンプ剤的には新品状態なので、今後エージングも必要。

でも、すでにかないまるは幸せです。BBCのエンジニアが晩年に作った最後のモデルらしいすばらしい音。これは宝物としか言いようがないです。








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