26)今年 (2000年)のイベントがだいたい終わりました。
年初からずーっと忙しかった今年の仕事が、だいたい一段落。やっとひと息ついています。といっても残業が減ったという程度ですが。
で、今年の首尾ですが、私が97年にAVアンプの音決めに参画していらい、3年連続して獲得していたHiVi誌の冬のベストバイ一位を、今年もいただく事が出来ました。海外の導入状況も順調で、総合的によい結果を出せたと思っています。
国内のHiViベストバイですが、まず10万円以下はSTR-V939Xをエントリーさせました。定価8万8千円で、828Xと同じです。
このモデル、昨年の828Xが、仕上がりが良かったワリには、二位に終わった諸原因をふか〜く反省し、今年は商品を、再度徹底的に仕上げるとともに、選者の先生方に投票直前までじっくりと聴いていただくようにしました。
結果は、ブッチギリの一位。二位のY社に5点、三位のO社に6点も差がついてますから、もうこのクラスは939Xを買うっきゃないっていう状況だと思います。他社さん、ショックでしょうね。
もう一つはSTR-V555ESで13万8千円のモデル。実は今年は12〜14万円にモデルが目白押しの大激戦で、どこが音がいいのかが大注目でした。実際、このクラスでAVアンプを選ぼうとしている方は非常に多いと思います。
HiViベストバイは今回から10〜20万円の価格帯が独立しましたが、この価格帯ではY社が一位になりました。ただこのモデルは20万円と価格が高く、問題の12万円から14万円の一群ではわがSTR-V555ESがトップを獲得しました。まあHiViさんの価格帯では二位ですが、一位の20万円モデルとは2点しか差がなく、逆に三位には4点差、四位とはなんと8点もの差がついています。
結局555ESの評価は抜群に良かったわけで、また商品が足らない騒ぎになるかもしれません。商品は切らしてはいけないんですが、設計担当としては、ものが足らない騒ぎは勲章みたいなもんで、本音では結構うれしいものです。
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次に、年に一度のお祭りであるオーディオエキスポですが、こちらも無事終了。今年も試聴室を担当しました。
今年のオーディオエキスポは、昨年より一割程度入場者が多かったそうですが、ソニーブースはさらに集客したようです。ちゃんとした統計はありませんが、土日は身動きがとれない状態にしばしばなりました。試聴室も4日間の会期中、常に満席でした。
今年はソニー初のプログレッシブ対応DVDプレーヤ、DVP-S9000ESが出たので、これとSTR-V555ESを組み合わせ、一回20分のデモを繰り返し行いました。
スピーカはSS-M9といって、SACD用に販売しているSS-1EDの原型になったアメリカ向けのスピーカを5本使いました。大きくて重たいサブウーファがついていて、スピーカの設計者はセパレートアンプで設計しているものです。当然AVアンプで鳴るのだろうかと普通考えますよね。しかし555ESは、これを軽々とドライブしてくれました。大型のスピーカ5本を堂々と鳴らす様子には、来客のみなさんはもちろん、講演にみえた評論家の先生方も感心なさってました。
デモの説明は、今年はパワーポイントを使って電子紙芝居にしてみました。昨年までは図柄はフリップボードだけで、あとは全部しゃべりに任せていたので、一回30分かけてデモをしていましたが、今回は同程度の内容を、一回20分でこなしています。かなり言葉を絞ったわけですが理解しにくいわけではなく、やはりパソコンプリゼンの威力は絶大だと思います。
ただしパワーポイントは作るのが結構手間なんですよね。アメリカの企業では、社員がプリゼンの準備に時間をかけすぎるので(実際アメリカ人はプリゼンにはホントに命をかけます)、パワーポイント使用を禁止したところもあるほどです。
今回、実はエキスポ直前まで使おうと思っていた映画が、事情でデモに使えないことがわかって、そのショックでプリゼンの製作開始が遅れてしまい、出来上がったのがエキスポセッティング当日の明け方という状況でした。つまり徹夜になったわけ。でも結果が良かったので、疲れも吹っ飛びました。
というのはウソで、疲労で体中がパンパン。この一週間、毎日トクホンを貼っていました。120枚入りの箱が三日で終わりましたから、一回40枚くらい貼ってたわけですね。
毎朝はがしていますが、エキスポ会期中はどうしてもつらいので、昼も貼ってました。そしたら試聴室のコンパニオンに「サロンパスくさい」と言われました。「いやかですか?」と聴いたら、「いい匂いだからいいです」といわれました。よかった。
939Xと555ES、それと6チャンネルプリアンプのTA-P9000ESについては、近々また「私の作品」のコーナーに書く予定です。
(2000/11/28)
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