かえしの材料
醤油、みりん、砂糖について
初稿 040124
本稿はつゆ編(t)の01番(かえしの作り方)の中にあっものを補足して独立させたものです。
1.しょうゆについて
醤油は「そば膳」 (ヒゲタ) がイチオシです。もともと関東のそば屋さんはヒゲタファンが多いそうで、そのヒゲタが蕎麦つゆ専用に開発したのがこの醤油。業務用です。たしかにうま味が濃く、力強くバランスのよい蕎麦つゆが作れます。醤油の香りが抑え目で蕎麦の風味を邪魔しないのも特長ですが、十分寝かさないとすこし辛いので、最低一カ月は寝かしましょう。
ヒゲタの「本膳」もお勧めです。こちらは高級家庭用および料理屋さん用の醤油で、非常に強いうまみがあります。少し大きなスーパーには500cc程度の小瓶がよくおいてありますので、入手しやすいでしょう。みなさんがとにかく少量でお試しになるには、この本膳がいいかもしれません。もともとがかけ醤油なのでカドは丸い醤油で、寝かし時間も少なめでOK。一週間程度でおいしいつゆを作れます。
このほか、川越の「はつかり」、あきるのの「キッコーゴ」なども美味しいつゆを作ることができた醤油です。
みなさんがもしせんべいのような醤油菓子好きで、なおかつ挽きぐるみの強い蕎麦を好きなら、「金笛」という醤油をお勧めします。以前よく使っていた醤油でよく寝かさないととても辛い醤油でしたが、当時使っていた群馬県産の地粉にとてもよく合いました。
現在私は、そば膳を単独か、またはそば膳に本膳を3割程度まで適当に混合しています。みりんもそうですが、このへんの材料は画一的に作り続けるよりは、ときどき変化をつけた方がおいしく感ずるようで、手持ち状況でいろいろと変えていますが、その時々の発見があっておいしく感じます。
2.みりん
みりんは、養命酒酒造の家醸本みりんがお勧めです。創業400年の伝承技術と高橋名人が使っているPRで有名ですが、みりん自体は醸造用アルコールを使った新式の本醸造です。後述の他のみりんのようにそのまま飲んでおいしいというものではありませんし色も薄め。
しかし、旨み成分が豊富なようで、蕎麦つゆとしては醤油とだし本来の旨みを邪魔せず、さらにみりんとしての旨みが上手に合わさる感じ。ただし甘さは控えめ傾向になり、それも持ち味といえそうです。
伝統的な醸造方法で作られるみりんで「三州三河みりん」もお勧めです。私自身まだ使い始めたばかりなのですが、イチオシがこちらになる予感もしています。
三河みりんの特長は、蕎麦つゆにキレのよいとてもさわやかな甘さが乗ることで、蕎麦を喉に送り込んだあとの余韻がすばらしいものとなります。旨味も自然で濃いものとなります。
もう一つ甘強酒造の「昔仕込」も美味しいみりんで、これは三河みりんよりさらに古い醸造法で作られています。甘味、独特のコクに特長があり、味の濃い醤油と合わせたときに持ち味を発揮するようです。
3. 砂糖
砂糖は普通のザラメ(中ザラ糖)を使っています。いろいろ試してみましたが、中ザラ糖が一番美味しいようです。
ただし「普通のザラメ」と言っても製糖メーカごとに味が違います。私は「カップ印」を使っています。
以下画像でご紹介しましょう。
まず左がそば膳。そっけないラベルはプロ用の証でしょうか。右は三河みりんです。
こちらは左が甘強の昔仕込本みりん。右はヒゲタの本膳です。
こちらは家醸本みりん。一升瓶もありますが、みりんは消費量が少ないので、この500cc入りボトルのほうが使いやすいです。
こちらはカップ印の中ザラ糖です。
これらの醤油とみりんは、甘強みりん、三河みりん、本膳、そば膳は豊島屋さんで購入可能です。
家醸本みりんはスーパーにもあるようですが、なければ養命酒酒造の工場のある駒ヶ根市のワインショップ・マルマスで購入可能です。
中ザラ糖はスーパーやデパートで買えますが、スプーン印とカップ印両方をおいてあることはないようです。たとえばダイエーはスプーン印、西友はカップ印という感じです。
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