99年7月11日公開
2) 3種類のインターネット接続
インターネットとの接続をする上で、ルータの位置づけを鮮明にするために、家庭からインターネットに接続する三つの代表的な方法を比較してみましょう。
2-1)アナログ回線とモデムによる接続
最も簡単な方法です。
接続は非常に簡単で、パソコン--モデム--NTTのアナログ回線 の順につなぎます。モデムがPCに内蔵の場合は、RS232Cも不要です。
速度はモデムの表示は56Kbpsでも、NTTの回線に直接つないで50Kbps前後出ればよいほうでしょう(羊頭狗肉)。
モデムによる接続は、ISDN回線+TAの環境で、TAのアナログポートを使っても可能ですが、速度はさらに落ちるようです。
2-2)ISDN回線+TAによる接続
現在最も一般的なのが、ISDN回線にTAをつなぐ方法でしょう。かないまる邸も、ルータ導入まで3年弱の間使ってきました。
最小構成は下図の肌色の部分で、NTTの回線→DSU→TA→パソコン という接続となります。通信速度はISDNのBチャンネル1チャンネルで64Kbps出ます。
ISDNは、S/T点を引き回すことで、家屋内に拡張することができます。かないまる邸には、書斎を起点として、送り配管にS/T点用の配線を敷設してあります。
さて、上図で緑で示した部分が、パソコン同士をETHERNETで結合した家庭内LANです。家庭内LANはプリンタやファイルを共有できるので便利なものですが、このままではインターネットとの接点がありません。特別の工夫をすれば、このままでも可能ですが、メインのパソコンを常時電源ONとしなくてはならないなど、ちょっと躊躇します。
2-3) ISDN+ダイヤルアップルータの構成
複数パソコンのインターネットアクセスを実現するためのもっとも良い方法は、TAとHUBの間にルータという装置を入れた下図の構成です。
まずTAとパソコンの経路が不要になっています。インターネットアクセス経路は、NTTの回線→DSU→TA→ROUTER→HUB→パソコン となるからです。同時にHUBにぶら下がった、つまり家庭内LAN上の全てのパソコンから平等にインターネットとの接続が可能です。
ルータというのは、ネットワーク同士をつなぐ装置の一種です。非常に賢くて、信号形式の変換や経路の選定を行います。家庭で使うものは「ダイヤルアップルータ」と呼ばれ、LAN側からの要求にしたがってNTT回線に電話してダイヤルアップ接続を確立してくれます。
ですからパソコン上ではブラウザを動作させるだけで接続ができてしまい、TAやモデムを使う形式では当然だった「ダイヤルアップでプロバイダと接続する」というステップを経ないでつながってしまいます。
これはとても便利なのですが、不用意に課金される恐れもあるので、とりあえずかないまる邸では手動接続という方法にしています(詳細は後ほど)。