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  Q&A  


2000年7月23日更新


このページはQ&Aです。とりあえず自宅に見えた方の素朴な質問を、Q&A形式にまとめてみました。メールその他でご質問いただいた場合、このページは増殖します。ご質問大歓迎です。

 [Q1]サブウーファは必要ですか。    

基本的には上手に使えば有ったほうがよいケースが多いのですが、無くても何とかなることも多いと思います。って、あまり役に立たない返事だな(^_^;)

言いたいのは、5.1チャンネルだから0.1チャンネル用に使うんだと思いこんでいると(思い込んでいるでしょ)、そうでないこともあるということです。

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そこでまず、5.1チャンネルが生れたワケを書きましょう。

5.1チャンネルは、5個のメインチャンネル(フロントL/R、サラウンド(リア)L/R、センター、LFE(低域専用))で構成されています。そしてこのLFEチャンネルは、映画館の都合で生れたものです。

このLFEは、メインの5チャンネルのスピーカの低音が出ないから使うわけではありません。低域の再生帯域は実は十分あります。その証拠に、映画では音楽ではあまり使われないような低域成分を観客の心理状態をコントロールするために結構多用していますが、意外なことにLFEではなくメインチャンネルが使われることが多いのです。多分それは、音の基本的クォリティーがメインチャンネルのほうが高いからだと思います。

しかしメインチャンネルの低域はあまり大きな音は出せません。ドカーンという爆発シーンや宇宙の戦闘シーン(なぜ音がするんだろう(^_^;))等では、音量が足らないのです。

そこでここぞというとき用に音量稼ぎ専用に作られたのが、150Hz以上の帯域がない低音専用の LFE(low frequency effect)チャンネルです。

ここで話を整理してみると、

  1. 映画館では、サブウーファを使わなくても、メインチャンネルの低域の周波数特性は十分にあるしクォリティーも高い
  2. しかし最大音圧はあまり大きくないので、それを稼ぐためにLFEがある

ということになります。

これに対して、家庭でのサブウーファは、LFE専用ではありません。メインチャンネルの帯域が足らない場合、これを補う役割もあるのです。

SDP-EP9などに入っているバスマネージメントは、低域の出せないチャンネルの低域を吸い取って、低域の出るチャンネルに回したり、サブウーファがある時は、その足りない帯域と、LFEをサブウーファに回すことが出来ます。この機能は非常によくできていて、ほとんどの場合これでうまく行きます。

しかしより高度な再生音を目指した場合、機械に任せずに、自分でメインチャンネルのスピーカにサブウーファを直接つないで、細かい調整をしたりしたほうがずっと高級な音が出ることも有るのです。

 [Q2]その具体的な例を教えてください  

わかりやすいのがサブウーファが複数個使える場合です。

例えばブックシェルフ型のスピーカで50Hz〜70Hz程度までしか帯域が無い場合、サブウーファを使って1オクターブほど再生帯域を下げると、非常に大きな効果が感じられます。

この場合基本はSDP-EP9で各メインチャンネルをsmallに設定して、カットオフ周波数を調整し、LFEともどもサブウーファから出す手法です。

しかし包囲方向感を重視する場合はフロントとサラウンドを別のサブウーファ(つまり二本)にすると結構いい感じになります。サブウーファの音源ははメインのスピーカ信号からもらいます。LFEはSDP-EP9をサブウーファをNOに設定すればメインチャンネルに出てきますから、その低域もろともサブウーファで増強します。100Hz前後の帯域はメインチャンネルのスピーカも活躍しますから、この方法は最大音圧も高く取れます。

これと似ていますが、フロントは直結で帯域を拡大し、サラウンド(リア)をsmall、サブウーファをYESにして、LFEとサラウンドの低域をサブウーファから出す手法も有効です。

そのほか過去やってうまくいったのは、下記のような設定です。


これらはその時々で使ったメインスピーカが違うからで、ケースバイケースなのです。

 [Q3]かないまる邸のサブウーファの使い方を教えてください。  

Q1で述べたように、かないまる邸はフロント大型(センターはファントム)、サラウンド小型のケースです。

本文で述べましたが、かないまる邸では現在サブウーファを使っていますが、これまでの過程でいろいろな使い方をしてみました。それぞれに楽しめるので、経過とともに解説しましょう。

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前提として使用しているスピーカをもう一度確認しておきます。

まずサラウンドスピーカは米NHT製のsuper Zeroです。小型で密閉型なので低域は全然出ませんが、サブウーファとつなぐのは比較的楽ですし、トーンで持ち上げれば一応レスポンスはあります。

一方、フロントスピーカは英ハーベス社製 monitor HL type4。20センチウーファを比較的大型の箱に入れて、軽いダクトで低域を拡大したもので、ウーファー径からは信じられないほど豊かな低域が出ます(同じ箱なら30センチスピーカより20センチスピーカのほうが周波数レンジ的には楽に低域がのびるのです)。

 方法1.サブウーファ無しで標準的設定 


サブウーファ無しの場合標準的な設定です。

この設定は、SDP-EP9が smallに設定されたNHTの低域を抜き取り、largeのハーベスに注入します。LFEもハーベスから出てきます。

この設定では、サブウーファ無しでも比較的豊かな低域の量感が得られます。

一番手軽でいいんですが、やはり低域が全部前方に行ってしまうため、5本全部largeのスピーカを使った音場と比べると、包囲感が薄れる難点があります。

もちろん中域以上の方向感は問題なく、もともとサラウンドの低域成分の無いドルビープロロジックよりは、はるかに豊かな臨場感があります。

 方法2.サブウーファ無しで、リアをlargeに設定 

スピーカの設定を全部largeにして、サラウンドの低域不足はSDP-EP9のイコライザ機能を活用する方法です。

同時にSDP-EP9のイコライザーをonにして、カットオフを99ヘルツ、レベルを+6〜+9dBに増強します。

この状態は、各チャンネルの低域はそのまま元のスピーカから出てきます。またLFEは1/4の音圧にして各スピーカに注入されます。

結果は上々で、低域の方向感が復活し、包み込むような感じが出てきます。

しかしさすがに+6〜+9dBでは、アンプもスピーカも厳しくて、音量を上げると破綻してしまいます。

この設定は結構長い間使っていまして、リビングのような小さな空間でも低域の方向感が重要なことが確認出来ましたので、いよいよサブウーファを導入することにしました。

 方法3.サブウーファありで、教科書的設定 

導入したサブウーファは、比較的小型で床スペースを取らないソニー製のSA-W301で、ラックの脇に置きました。

まずは教科書的に、プロセッサSDP-EP9にサブウーファをつなぐやり方です。

この接続は標準的なもので、まずsmallに設定されたサラウンドスピーカの低音がサブウーファに出てきます(SDP-EP9は低域抜き出しのカットオフ周波数が可変出来ますが、100Hz程度が良いようでした)。

またLFE信号もサブウーファのみから出てきます。フロントには行きません。

この設定は、標準だけあってなかなかよくできています。方向感や包囲感も申し分ありません。

ただ、サブウーファが小型のせいか、LFEをハーベス経由で出したときに比べるとやや迫力が欠けます。

また音量を上げると、絶対音圧もやや足らない感じがしました。TA-F5000は35Wしかないアンプですが、メインのスピーカはまだ全然余裕が有るのに、サブウーファが先に限界に来てしまうのです。

まあ、自宅とはいえデモをやることがあり、そのときの音量が結構高いということもあるんですが(^_^;)

 方法4.サブウーファをNHTと直結 

そこで最後の案として、SDP-EP9はサブウーファをNOに設定してLFEを各スピーカに分配した上で、サブウーファはNHTのスピーカ信号を与える方法を試しました。

この設定では、LFEの配分については方法2.と同じになります。つまりLFEは1/4にした上で、4本のチャンネルに等配されます。

この方法は、元の低域の方向感や包囲感がほとんど崩れません。またLFE再生にフロントスピーカも活躍しますので、十分迫力が出ます。

サブウーファはラックの脇ですから、聴取位置の真横からやや前程度の位置で、神経質に考えればサラウンドスピーカから離れていて気になります。

でも、フロントから十分に離れていれば立体感はちゃんと残りますし、経験的にはサブウーファが横にあるというのは、結構いい感じになることが多いようです。

 [Q4]暗いところで大画面を見ていてつかれませんか 

疲れません。なぜなら映画は暗いところで大画面で見るように作られているからです。

被写体から適当な距離をおき、画面の両端は背景として扱われています。この背景を全部見ようとして意識すると疲れます。しかしこの背景は、それが広いことで、観衆を映画の世界に引き込むためのものなので、無理に見なくてもよいのです。

この大画面になれてしまうと、むしろ明るいところで小さな画面で(つまりテレビで)映画を見る方がよほどつかれます。被写体が小さくなり過ぎますし、暗い場面はよく見えません。暗いところで見るべきものをあかるいところで見るから、これは当然です。

しかし以上は映画の話で、テレビ放送を大画面で見ると、基本的には疲れます。なぜならテレビは小さな画面を明るいところで見るように作っているからです。

一例を上げるとアップの頻度。テレビを見ていると基本的にはアップの連続です。これを大画面で見ると、もうどうしようもなく疲れます。テレビも年々大型化しているのですから、もう少し作り方を変えたらどうかと思うんですが。

ただ、サッカー中継のようなスポーツ中継は、アップにしてしまうと全体が判らないので、結構引いたシーンが多く、大画面に向きます。もう少し引いてくれるともっといいんですが、それだとテレビで見るとなんだかわからないかもしんない。

 [Q5]壁の色は白はいけないと聞きましたが 

それはわりと正しいです。なぜかというと、スクリーンから反射した光がスクリーンに戻り、暗部を浮かせてしまうので、コントラストが落ちて、画面の深みが減りやすいからです。

しかしリビングの壁を黒くするのは、いくらなんでも反対です。リビングはやはり明るい空間であって欲しい。だからかないまる邸のリビングAVはわかっていてやっていることなのです。

とはいうものの、かないまる邸のスクリーンは、割合条件は良い方です。

というのは、プロジェクタを天吊りにした場合、一次反射は床方向が最もきつくなりますが、床方向は暗めの色調のテーブルにしてあるからです。ここが白いテーブルだと、完全にアウトです。

あとは左側は壁が遠く、右側もすぐ近くは木部の柱で、そのあと出窓に切れて行きます。だから二次反射が見ている人に届きやすい、割合距離のあるところからの反射は意外に少ないのです。

あとはD50で80インチという贅沢な使い方ですね。元々の映像に力がありますから、多少の劣化は気にならないようです。

 [Q6]AC-3は5本全部同じスピーカを使うのがよいと聞きましたが本当ですか 

本当です。とは言うものの、映画館はフロントとサラウンドは違うので、違っていても成立はするはずです。ではなぜ同じが良いかというと、まず音色合わせがもとから出来てますから、フロントとサラウンドの接続という空間表現上の難所に成功しやすいのです。

映画館のスピーカは、フロントはスクリーン透過型ですから極めて条件が悪いのです。これに対してサラウンドは直接放射ですからかなり楽です。つまりそもそもかなり音色が違う。

しかし映画の世界には専門のエンジニアがいて、このへんの音色を問題の無いレベルまで合わせ込んで行きますから、フロントとサラウンドのつながりはとてもよくできています(日本の映画館ではあまりいいなと思ったことはありませんが、カリフォルニアの映画館の音を聴くと、とても見事です。ダビングシアターももちろんよくできています)。

しかしホームAVユーザが、音色の違うスピーカをうまくつなぐことが出来るかというとなかなか難しいのですね。最初に毛色の違い過ぎるものを選んでしまうと、どう頑張ってもつながりません。

かないまる邸で使っているハーベスは、もとがBBCmonitorのエンジニアが作ったものですから、わりと素直なモニター調です。NHTはアメリカ製ですが、これもわりと素直系で、そもそも素性は似ていて、そのせいか結構うまくつながりました。

これを例えば、サラウンドにボーズやJBLを持ってきたら、果してつながるか。私はつなぐ自信はありません。

 [Q6]ビーズスクリーンとマットスクリーンとは、どう違うのですか
 (98/07/06 追記)

 原理 

マットというのは、スクリーンの表面に白い塗料を塗ったもので、反射はその表面で起こります。塗料の色は白で、基本的には自然界のいろいろな色を満遍なく反射します。

また反射の方向も、ランダムです。つまりプロジェクターから当たった光は、いろいろな方向に満遍なく反射します。ですから例えばスクリーンの横から見ても、画面がはっきり見えるのがマットの特長です。

これに対してビーズタイプというのは、塗料に微細なガラス玉を混ぜてあります。直径の数字は忘れましたが、ガラス玉といっても微細なものです。

このビーズは塗料の表面から顔を出していて、そこに入った光は内部で全反射して戻ってきます。そして『光が入った方向』の反射光の強度を上げてくれます。

この方向性は、それほど強いものではありませんが、それでも周辺への反射は抑えられますので、スクリーンを横から見ると暗くて、投射方向から見ると明るいという特性になります。

そしてマットタイプに比べるとこの正面の明るさは2倍以上ありますが、これをゲインと言い、2.5〜3程度が普通です。

 両者の特質と画の見え方の違い 

一般論ですが、マットタイプのほうが自然でしっとりしていると言われます。画面内の均一性もマットのぼうが高いです。これに対して、ビーズタイプは中央がやや明るくなることが多いのと、幾分画質がキラキラする傾向になることがあります。

ところがこれはあくまで一般論で、ビーズタイプのものも非常にしっとりしたものがあります。ソニー製のビーズは良い部類だと思いますが、オーディオフェアでセッティングしてもらい、期間中ビーズタイプであることに気づかなかったこともありました。まあ、フェアと家庭は条件が違いますが、それにしても最近のビーズは良くできています。

ちなみに私が使っているのはキクチ科学のマリブというマットタイプですが、これはスクリーン自体はスチュワート製です。スチュワートは北米のサンウドスクリーンの大半を抑えているメーカだそうで、その色の自然さはさすがです。







このコーナーはメンテしていませんでしたが、最近「バイワイアリング」のお問い合わせが非常に多いこともあり、再開することにしました。



 [Q7]777ESや828Xでバイワイアリング接続はできますか。
 (2000/07/18 追記)


777ESや828Xに限らず、全てのアンプでバイワイアリング接続は可能です。ただし、アンプのスピーカー端子の構造や構成により多少工夫する必要があります。

最近この「バイワイアリング」のお問い合わせが非常に多く、なかには「スピーカーA,Bがないと出来ない」という情報に出会って混乱している方もいらっしゃるようです。そこで少しまとめてみました(2000/07/18公開 07/24修正)。


 バイワイア接続の原理 

スピーカのネットワークは高域と低域を分離するためのものです。昔のスピーカは入り口は一つだけでした。ネットワークの入り口は内部で接続されていたのです。



ところが、最近のスピーカーは、入り口が高域用と低域用が別々になっています。もちろん基本的には上の図のスピーカと同じですから、入り口で金属板でつないであるのが普通です。



こういうスピーカは、付属のブリッジ用金属板を外し(上の図は外してあります)、高域用と低域用を別々のスピーカコードでアンプとつなぐ事で音質がよくなる可能性があります。このような接続をバイワイアリングといいます。


 バイワイアリング接続の実際 




バイワイアリング対応のスピーカは、通常は上記のようにつなぎます。つまり付属の金属板をつけたままで、一組のスピーカーケーブルを接続するわけです。

(この場合、ケーブルをツイーター側につなぐか、ウーファー側につなぐかで音が違うことが多々あります。またクロス掛けといって、プラスをツイーター側、マイナスをウーファー側(逆も可)に接続するようなことをすると、これまた音が変わります。いろいろやると好みの音になることもありますから、試してみるといいでしょう)。



ここからがバイワイアリングです。

まずこれは、ピュアオーディオアンプでスピーカターミナルがA/B二つある時に、しばしば行われる接続法です。アンプのスピーカスイッチを「A+B」にして使います。

AVアンプでもフロントL/Rの2チャンネルについてはA/B出力を持っている事が多いので、この接続が可能ですから、フロントL/Rだけバイワイアリングする場合はお勧めできます。

しかし、空間の表現力はバイワイアリングのほうがよいですから、できれば全チャンネル、それが不可能でもセンターはバイワイアリングしたいところです。

この場合は、下記に示す方法でバイワイアリングできますが、この時、音の調子を揃えるため、フロントL/Rについても同じ方法に揃えた方がよいと思います。



これは一個のスピーカ端子に2本のスピーカケーブルを差し込む方法です。最近のAVアンプのスピーカターミナルは上下両方からケーブルを差し込めますので、この接続方法が可能なケースが結構あります。

また、使いたいケーブルがそんなに太くない場合は、あらかじめよりあわせてからアンプに接続してもよいでしょう。

実は私のお勧めはこれです。A+Bを使うより成功しやすいですし、接続も簡単です。私は世界中でデジタルシネマサウンドのデモをしていますが、バイワイアリングをするときは必ずこの方法にしています。つまりあまり太くないスピーカーケーブル(最近よく使うのはモンスターケーブルのXPHPというタイプです)を使い、二本よりあわせてからアンプに差し込みます。



よりあわせるとスピーカターミナルに入らないような、太めのケーブルを使いたい場合は、よりあわせた二本のケーブルに、もう一本の短い(15センチ程度)ケーブルを継ぎ足して、Y接続したケーブルをつくるしかありません。ようするにアンプを出たところは一本のケーブルですが、なるべくそれを短くして、直ちに二本に分けて配線するわけです。

共通部分があるので効果を疑う方もいらっしゃいますが、これでも十分な効果があります。



上図はY接続の具体的な例で、ハンダ付けで解決した例です。ハンダ付け部分は絶縁しておきます。

ハンダ付けに自信のない方は、3本のケーブルをきっちりよりあわせてから、よりあわせ部分に糸をまいてヨリが戻らないようにしてから絶縁テープを巻くという手もあります(よっただけというのははずれてしまう恐れがあるので、必ず糸を巻いてください)。もちろん圧着レンチが使える方は、圧着リングをかぶせて締めるという方法もありますね。


 バイワイアリングに関する、よくある質問 


Q1)
スピーカケーブルは高域用と低域用は同じものでいいですか。

A1)
基本的に同じものを使った方が成功する確率が高くなります。長さもきっちり揃えます。

同じものを使った方がよい理由は、スピーカケーブルもオーディオ商品ですから、よいケーブルは低域と高域のトーンバランスがとられているのが普通だからです。同じものを使えば、そのバランスが崩れません。

ただし、高価なケーブルを高域に使い、低域は安価なものを使うとか、高域は細めで低域感のないものを使い、低域は太めで力感のあるものを使うというようなテクニックも存在します。私はスピーカの癖(高域と低域のトーンの違いなど)の補正をケーブルの組み合わせでやったこともあります。しかしこれは比較的高度で経験を要するテクニックですし、間違うとケーブル代が無駄になります。

つまり、異種ケーブルの組み合わせは高度なチューニング狙いか、逆にコストをセーブしつつ単一ケーブル配線よりよい結果を得たい場合となりますが、リスクも大きくなります。


Q2)
アンプの取り扱い説明書に「A+Bで使う時は、インピーダンスは、12オーム以上を使え」と書いてありますが、6オームのスピーカは使えませんか。

A2)
使用する帯域が違うので、使ってかまいません。行った先が一本のスピーカですから、これは当然です。


Q3)
なぜ音がよくなるのですか

A3)
スピーカのネットワークが理想的に働くようになるからです。詳しくいうと、通常の接続では高域がウーファから出てきたり、低域がほんのわずかツイーターに混ざったりするのです。ほんのわずかですからもちろんひずんだりするわけではありません。しかしバイワイアリングすると、分離がよくなりますので、音がすっきりして聴きやすい音になる場合が多いのです。


Q4)
どういう効果があるのですか。

A4)
まず音がすっきりし、素直になります。ボーカルはのびやかに歌い、バイオリンの倍音も聴きやすくなります。間接音の表現が上手になり、エア感やホールトーンがリッチになることも多く経験します。低音のボリウム感が増す事もあります。


Q5)
必ず成功しますか。

まれにですが、設計者が通常配線で音が最高になるように仕上げてしまい、バイワイアリングではあまりよい結果が得られないというスピーカーがないとはいえません。バイワイアリングは実際にはやる人が少ないので、設計方針としては間違いとはいえないでしょうが。

このようになる代表的な例が、金属版がターミナルボードの弱さを補強している場合です。こういうスピーカは結構存在し、バイワイアリングにすると音色的に癖のある音になったり、しっかりした感じがなく、どことなく弱い音になったりします。

ターミナルボードの状況をつかむには、金属板の代わりに普通のスピーカーケーブルで配線してみればすぐにわかります。スピーカケーブルを長くむいて、配線と同時に高域、低域のターミナルをブリッジ配線します。この場合、ブリッジ部分にはタルミをつけて、つっぱらないようにしてください。

このテストで癖が感じられたら、ターミナルボードに補強を入れるか、または制振をしてみます。ガムテープを2センチ角程度に切って、ターミナルボードのモールド部分に2〜3枚貼るだけで解決することもあります。補強は難しいですが、絶縁体を金属板の代わりに入れて、ターミナル同士を機械的に結合すると、元の感じに近くなると思います。

逆に金属板をケーブルブリッジに変えると音質がよくなる場合があります(実はこの方が多いと思います)。これは補強板が悪さをしていたことになります。理由としては、補強板のメッキがよくないケース、金属板が共振してクセになっているケースなどですね(バイワイアリングをしないまでも、試す価値がありますよ)。

いずれにしても、金属板を外した状態で音色が整っていれば、バイワイアリング成功の確率は非常に高いといえます。




Q6)(7月24日追記)
アンプ側の直前に10cm〜15cmで接続するとのことですが、これを逆にした場合でも有効でしょうか? つまり・・・高域と低域のスピーカーケーブル二本の長さを10cm〜15cmにの長さでスピーカー側に接続し、長いスピーカーケーブルの一本をアンプ側に接続する。この方法でも有効でしょうか?

A6)
バイワイアリングは、アンプとスピーカの間を二本のケーブルで配線することで音質を改善します。つまり高域用の電流と低域用の電流を専用のケーブルに流すわけです。

したがってご質問の配線ではバイワイアリングにはなりません。通常の配線をして、スピーカのところで金属板の代わりにスピーカケーブルで配線を分けた形に見えます。ただしA5)で述べたように、金属板を使うのとは違う音になりますので、試す価値はあります。スピーカーの付属金属板というのは、音が悪いケースが多いからです。





このページに対するご質問は、

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