スカッシュ用ストリング


ケブファイバー
SX17



初稿 111108
更新 111225





ブラックナイト製、ケブファイバーSX-17 φ1.2です。

実はこのパッケージはもう見かけません。裸のストリングが11メートルに切ってあり、ポリ袋にいれただけのものが流通しています。



このストリングはスカッシュでのかないまるの常用品で、ロールを切って張っています。同じく愛用のラケットであるブラックナイトのC2C (スカッシュの世界の厚ラケ) との相性が抜群。「カンッ」という感じの打感は独特です。その代わり、弱いラケットとは全く合いません。硬いラケット専用と考えた方がいいでしょう。

構造は、ナイロンの繊維を束ねたコアを、ケブラーとナイロンの繊維を編んだ外皮 (チューブ、またはシェル)で包んだようになっています。外皮は透明樹脂 (材料は不明) で固めてあり、中のナイロンを抜くと管状になって残ります。コア部分の繊維は詰めてあるだけで、なんと全く固めてありません。なのでこのストリングはたやすくつぶれて表面積が広がり、がっちりとボールをつかみます。

打感は軽く打つと柔らかい感じです。たぶんケブラーを編んだチューブが締まるまでは、内部のマルチ繊維コアが強度を受け持つのでしょう。ボレーやロブはナイロンガットの性質が出るようです。ところが強打するとすごい手応えが返ってきます。この手応えはケブラー繊維が出しているのでしょう。この二面性は類例のないものだと思います。

このような珍しい構造のためか、ケブファイバーは比較的張り方が難しいストリングです。まず美味しいところが基本的に24〜25ポンド付近しかありません。24ポンド未満では緩くて飛びません。25ポンドを超えると、今度は固くて飛びません。

ラケットも選びます。24ポンドで合わないラケットは、このストリングはそもそも使えない感じです。

かないまるの経験で具体的にいうと、C2Cブラックの旧タイプ(軽いタイプ)は24ポンド。友人のテクニファイバーのラケットも24ポンドで調子がよかったそうです。かないまるは現在C2Cオーロラを使っていますが、これは25ポンドが合います。この24ポンドと25ポンドの差がものすごくでかい。こんなストリングはほかにないでしょう。

かないまるはこれまで主に二人のコーチに教わりましたが、二人ともこのストリングを使っていて、テンションはやはり24ポンドだそうです。ひとりのコーチはBKのC2Cブラック。もうひとりは楕円形のBKのSR-iON STORMです。

また、このような特性なので、ストリンギング技術に厳しいストリングです。テンションムラに極端に厳しくて、ムラがあると打感が悪く飛ばなくなります。分銅式時代だと急いで張ると失敗しました。正直に飛びが悪い。テンションが安定しやすい電動のありがたみは、このケブで最初に感じました。

かないまるはコーチが使っていたこともあり、このストリングでスカッシュラケットのストリンギングを練習しました。そのまま気に入って使い、5年前からの3年間でロール (100メートル) を二回使い切りました。その後ロールが入手できない時期に単張りを10個くらい使いましたので、合計30回くらい張ったわけで個人の消費量としてはすごいですね。飛ばなくて即日カットしたこともあるからこその使用量ではあります。

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ロールです。100メートル巻きなのにたっぷり入っているように見えるのは、テニスのロールより一回り小さいからです。このケブファイバーのロールは注文してから一年以上待ちました。ほぼ一年、在庫がなかったのです。その時期に北米やカナダのサイトを探しましたが、全然ありませんでした。今もありません。ケブは今や日本市場専用かもしれません (ん?、元々かな…)。

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