ストリンギングの記録
テニスラケット編
〜錦織張り/番外編〜
クロスもアルパワーフローロに張りかえる
初稿 111127
更新 120626
番外編です。アルパワーをメイン、レプロスをクロスにして一週間楽しみましたが、ここでメイン、クロスともにアルパワーにしてみます。つまりアルパワーとレプロスで混合二本張りしましたが、同じストリングにかえるのです。
二本張りはクロスのみを張り替えることができます (メインはクロスがタイオフしてあるのでダメ)。もちろん全部張り替えた方がいいのはまちがいないですが、サンデーテニスプレーヤーがそうそうストリングを無駄にはできません。実際メインのテンションバランスの調整をやりますのでそんなに支障はありません。
もちろんアマチュアレベルの遊びですが、知ってて損ではないのでポイントをご紹介しましょう。
まずストリングを切る前にラケットを架台に設置します。サイドサポートアーム、ビリヤードを、軽く当てる程度に固定します。軽くといってもガタはあってはダメなので、いったん取り付けたらビリヤードを緩めてラケットを振ってみます。ガタがなかったらもう一度ビリヤードを当てます。
クロスストリングの中央を切ります。これで一気にテンションが抜けるかというとそうでもなくて、ノッチがあるので意外にも中央数本しか動きません。
続いて2〜3本飛ばして上下のクロスをそれぞれカット。
あとは適当にバランスよく全部切り、クロスを抜きます。
(重要)。ここで、メインをハープ弾きします。中央に比べて両端がやや高い音。極端に低い音のメインがないことを確認します。どこかのメインの音が低い場合は、前回張ったときにテンションロスがあったということです。アルパワーフローロはテンションロスが多いそうですが、確かに今回も、一本抜けていました。
なおし方です。テンションが抜けているメインのすぐ外側のストリング引っ張ります。そのもう一本外も引きます。これを交互に外に移動するようにしてストリングテンションの緩みを外に移動して行きます。
最終的には、中央数本は同じ音、そこから外は次第に上昇傾向になるようにします。
クロス (半裁して残っていたアルパワーの6メートルを使います) のスターティングです。ここで次のポイント。それは、前回張ったときと左右を逆にし、クロスとメインの交差も上下を入れ換えることです。これは今までのクロスでできていたノッチを避けるためです。事実上ノッチはなくなり新品の状態になるので劇的に打感がよくなります。
あとは普通に進めます。クロスのテンションは今回は46ポンドにしました
同じストリングの場合、通常はクロステンションをメインより5〜7%下げます。
これはフレームが変形しないバランスで、フレームの性能がよく引き出され、またフレームの寿命にもよいとされています。
ただしフレームが変形しないことが全てにおいて最良ということではありません。メインとクロスが同じテンションの状態を好む方も多いようです (ガツっとした打感になります)。
ちなみにナイロンでクロスを張るときは、メインがクロスに引きずられるストレスはハープ弾きで簡単に取れますが、ポリは硬いので、それではメインが動きません。なので通常どおりオウルでメインを一本一本叩いておく必用があります。
張りあがりました。
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さて、打感です。
(一回目)
張った翌日に早速使ってみましたが、いやー、このポリ、すごく柔らかいですね。ガツっとした感ががまずほとんどありません。
それから50ポンドでは緩いようです。基本的に飛びすぎ。方向も不安定。かないまるの腕前ではコントロールしきれません。テンションをあと5〜10%上げたほうが使いやすいと思いました。
それから、張ってから1日しか経っていないのに、使う前からクロスにノッチができていました。
さらに少し使ったら深いノッチになってストリングが動かなくなりました。そもそもツルツルなのでメインがボールに引っかからないのに、ノッチでストリングが動かなくなるのでさらに回転がかかりません。普段のようにドライブで前衛の足元に球を落とそうとしたら何度も浮いてしまい、ボレーで激しく叩かれました。
なんかこのストリング、ハイブリッド専用なんですかね。錦織選手はクロスにナチュラルを使うことを前提に選定し、気に入って使っているそうですか、ナチュラルではなくてナイロンで張っても、ハイブリッドならそれなりにコントロールしやすい状態だと、前回書きました。それがクロスと同じアルパワーフローロだと、かなり使いにくい状況になります。
一本張り (つまりメイン、クロスともにこのストリング) で使うのだとすると、あまりお勧めできないストリングだと思いました。
(二回目)
一週間の間にグリップテープを薄いのに換えて(つまりグリップを少し細くして)もう一度使ってみました。握りが太いとしっかり叩けますが、コントロール性はやや細目のほうが上がると思ったのです。
結果はよくて、使いにくいほどではなくなりました。でもドライブがかかりにくいので足元に落とすストロークが打ちにくく、相変わらず気を抜くとボレーで叩かれました。
ノッチについては不思議なことに使っているうちに浅い感じになりました。たぶんストリングテンションが緩んだんでしょう。先週よりメインがよく動く感じです。ドライブがかけやすくなるほどではないですが、ストリングがボールに触っている時間は長くなったようです。パワーは明らかに落ちていました。寿命が短いストリングですねえ。
総合的にはひたすら柔らかいポリという感じですが、柔らかさを求めるのならナイロンでもいいわけで…。やっぱりこれ、ハイブリッド用なのではないかしら。
(数カ月後)
ところが、このストリングとのつきあい方がだんだんわかってきました。ガッツリと叩くといいようです。それもスプーンですくうようにドライブをかけると、とてもよくいうことをききます。あまり簡単にインプレッションを書かない方がよいと思う今日この頃でした(^^;)。
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