三種類のクランパ
初稿 111104
画像は、かないまるが持っているクランパです。左から
イグナス製、PN-1012
イグナス製、PN-1013
張名人付属品 (イグナスPN-1008と同等品?)
1.と2.はイグナス製ストリングマシンSmart707の付属品。3.は張名人NEON-CX21の付属品ですが、イグナスのPN1008と同等品と思われますので、以下PN1008と呼ぶことにします。
いずれもアマチュア用の安いものですが、回転式クランプベースに差し込む部分の軸の直径が12mmで、バボラ、ゴーセン、張り名人などと互いに互換性があります。実際ゴーセンのマシンに装着してみましたが、全く問題なく使えました(トアルソンはφ11になっていて互換性はありません)。
さて、この三つのクランプ。爪の数とピッチが違います。重要なのはピッチです。
PN-1012…12.5ミリ
PN-1013…8ミリ
PN-1008…10ミリ
結論からいうと、この三つを持っていることがストリンギングをたいへんに楽にします。理由は簡単で、ラケットのストリングピッチがまちまちだからです。
たとえばこれは、愛用のセミラージラケット、ダンロップ・ダイアクラスターRIM1.5にクランパを当ててみた様子ですが、左の10ミリピッチのPN-1008ではピッチが合わなくて、メインを押し退けるようになり、張りあがりでメインの整列が崩れてしまいます。
10ミリピッチのクランパは本職のマシンでもしばしば見かけるもので、実際にメインを押し退けながら張っています。ネットでうるさいことを言っているプロもこれを問題と思わないようですが、全く不思議なことです。決してよいこととは思えません。
これに対して右の12.5ミリのPN-1012は、ストリングに全く触れないでクランプできますので、よく整列した張りができます。
ところがウッドを張ると様相が一変します。10ミリピッチはストリングとピッタリで全く干渉しません。12.5ミリピッチだと爪の掛かりが浅くなり張りにくいのです。かないまるの想像では、この10ミリのピッチはウッドのころに決まったもの?。今のラケットには合いません。
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さて、ではスカッシュラケットは?。
実はスカッシュラケットのメインは、大きく分けて二つのタイプに別れます。一つは枡目タイプ。もう一つは放射タイプです。またスカッシュラケットは枡目であってもピッチが途中で変わったりして、テニスにくらべるととてもかなりクセがあります。
特に難物なのが放射型。グリップ側のピッチは恐ろしく狭くて、10ミリピッチクランバ、12ミリピッチクランバとも全く歯が経ちません。
そこへ行くと、PN1013はバドミントン、スカッシュラケット用ということで問題なく使えます。8ミリピッチなので狭いところではメインを押し退けますが、爪が3本なので問題なく使えます (スカッシュのストリングは柔らかいしテンションも低いので、押し退けて張っても問題ありません)。かないまるはスカッシュプレイヤーなので、PN-1013は必需品です。
ただし、最初はどのスカッシュラケットでもPN-1012で張り始めます。大きな爪で表面積が大きいので、ストリングを痛めにくいこと。スカッシュのストリングはテンションも低いので、多少ピッチが合わなくても浅くクランプすればOKなので、そのまま張り切れることが多いからです。
え、途中で交換するのかって?。そうです。スカッシュラケットは幅が狭いので、クランプはいつでも交換できるのです。なのでPN-1012で張り始めて、張りにくくなってから交換します。
というわけで、クランプは三種類のピッチを持っていると無敵です。
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