対象となるラケット(テニス)
初稿 111023
更新 120310
ガットはテニスとスカッシュを張ります。どちらもかないまるが楽しんでいるラケットスポーツ。
そのうちテニスは現在のところ自分のラケットを主に張ります。息子とカミさんのは張りますが、他人のはほとんど張ったことがありません (逆にスカッシュラケットは、友人のラケットを張る本数のほうが自分用よりはるかに多いです)。
実はいろいろなラケットを使ってみることは現在のテニスライフの楽しみになっています。安いストリングをロールで買ってしまえば、自分で張れると張り代はただですから経済的負担はあまり大きくありません。
一方、いろいろなラケットを使うことのメリットものすごく大きいです。この辺の事情は片々雑事に一度書きましたが、まとめてもう一度書いておきましょう。
かないまるは15年近くも厚ラケを使っていました。まずウィルソンのプロファイルです。これは有名なラケットですね。ヨネックスの軽いのから持ち替えましたが、プロファイルは衝撃的でした。かないまるのテニス歴は軟式の前衛から始まったためボレーは得意ですが、プロファイルは面を作っただけで気持ちよく返るのです。不得意なストロークも距離が出る。
プロファイルはグロメットがだめになり、コーチに「もう張れません」と言われて引退。グロメットが入手できないのです。
そこでラケットセールで試打した結果、ダンロップの「アドフォースTI」というのが気に入り購入しました。コントロールしやすいラケットでしたが、本質的にはやはり厚ラケ族でした。
結局厚ラケから厚ラケと使い継いで、通算で10年ほど使いました。このころのかないまるは、ほとんどラケットを買わない人でした。
さて、アドフォースもグロメットがだめになりました。またまたグロメットが入手てきません。これっていけませんよね。
ラケットというのは安いものではないんです。アマチュアテニスプレーヤーにとってはラケットは消耗品でもありません。
ウィルソンもダンロップも部品はちゃんと提供してほしいものです。
しょうがないのでグロメットはなんとか修理して打てるようにしつつ、再び試打をはじめました。ところが困りました。使えるラケットがほとんどありません。厚ラケを長期使ったので、小さく振って当てて返すクセがついていたのです。
偶然の出会いもあって、現在使っているラケットはダンロップのダイアクラスターRIM1.5 (中村藍子モデル)です。購入の顛末は片々雑事15番の110818に書いてあります。
このラケットは、なんでもいいやという感じになっていたときに試打もせずに中古で買いました。つまり期待しないで買ったのです。でも使ってみて気に入りました。
ところがラケットを変えた当初は、ボールが飛ばなくて困りました。フォアのストロークはとてもいいんですが、ボレーとスマッシュがだめ。サーブも入りません。これは結局フォームが駄目で、後述するウッドを使うことで修正できました。現在はRIM1.5を気に入って使っています。
さて、電動マシンを買ったので張る時間が短くなり、いろいろなラケットを張ってみたくなりました。オークションで「10本まとめて2000円」みたいなゴミのズラケットを入手してみると、使えるラケットがかなり混ざっています。これをどんどん張りました。
張ったものは使ってみたいですよね。そこでスクールに持って行き、最初のウォーミングアップの時に打つようにしてみましたが、これでおもしろいことに気づきました。いろいろなラケットを使ってみると、なぜ自分が厚ラケを手放して下手になったのかがわかってきたのです。それは厚ラケというのは異常に反発がよく、それに頼って小さいバックスイングでボールに当てていて、厚ラケでないと飛ばないスイングになっていたということです。
じゃん。いつのまにかこんなになっちゃいました。男っていうのはモノを集めるんですよね。
一番左が最後の厚ラケであるアドフォースT1。これはトップの一番大事な軟質のグロメットがだめになってるほか、グリップエンドキャップのところも壊れています。打感を確認することはできますので捨てないではいます。
右から三番目がその前に使っていたプロファイルの再入手品。110サイズを使っていたんですが、まず中古市場には出てこないので、95サイズを入手しました。昔の打感はこれで確認できました。非常に懐かしい打感。
左から2本目からの4本が「RIM1.5」です。青グリップが現在の常用で、あとはストリングバリエーションの確認やバックアップ用になっています。定価の1/6から高くて半額で入手。旧モデルって安くていいですね。
それ以外が練習用。アルミあり、別の厚ラケあり。マッケンローが使ったMAX200もあります。珍品ローラーハンマーなんかスクールで目茶苦茶受けました。
ラケットの歴史をおさらいしてみると、グラファイトやアルミになったころは、新素材なのにウッドの打感に近いフィーリングを残していますね。それがウィルソン・プロファイル登場以後、思いっきり高反発になり、その後ゆり戻してコントロール力をあげてきているような感じ。かないまるは厚ラケで止まっていたので、RIMを入手したときに飛ばなくて困ったようです。
でもこのラケットたちは、かないまるがダメな点がどこかは教えてくれましたが、どれかのラケットを使って練習すればそれが治るということはありませんでした。
この作業、しばらくは新素材系だけで歴史をたどっていました。ウッドは世界が相当ちがいそうなのでとりあえず保留していたのです。
それが新素材系がだいたいわかったので、いよいよウッドとなりました。きっかけは3本セットで出品されていたオークションにウッドが混ざっていたのです。
いやー、うろたえましたね。張り方がわかりません。いまはもう何でもなくなりましたが、一本の穴に二本のガットを通したり、ラケットに溝があって、溝どおりにしか張れないなどでかなりびっくりしました。
でも、とにかく張り上げて打ってみたら、すごいすごい。これは練習になります。とにかくしっかり引いて、飛んでくるボールの球筋に合わせて打たないと全く飛びません。重いのでこねくり回すような小手先で打つのもダメ。ウッドで練習すると、ものすごくテニスがよくなります。
こうなると、ではウッドはどれがいいんだということになります。
実はかないまるは、ぎりぎりのところでウッドの時代を知りません。テニスをはじめたのは軟式で、もちろんそのときはウッドですが、硬式は会社に入ってからで、「ウッドの時代」はテニスをやらないでいた大学生時代にほとんど終わっていました。会社に入って部にあったテニス同好会に入会。そのとき一本だけヨネックスのウッドを買った覚えがありますが、すぐにプロケネックスのグラファイトが大流行して購入。ウッド時代はほとんど知らないのです。
なのでウッドの時代のラケットの感覚をつかもうと思い、少し集めてみることにしました。
そうしたら、少しではなく集まってしまいました(^_^;)。でも一本10円を最低価格として、ほとんどが1000円以下。送料のほうが高いものがザラなんですよ。ウッドは集めるのなら今です。
一応感想を書いておくと、ボルグが使ったことで人気のあるドネー製は、さすがに強度感があります。結構高額で取引されている「ボルグプロ」は、異例に良いラケットで、ボールコントロールがきわめてやりやすいです。材料の木材と加工方法を徹底的に工夫している感じです。その変わり400グラムもあり、とても重いです。
ボルグの名前を冠した商品では、「オールウッド・ビヨンボルグ」もいいラケットです。でもボルグプロよりは普通のラケットで、国産のいいのより少しいいくらい。
カワサキのオールマンや、カワサキ末期のオールマンプロもいいですね。多くの人がこのラケットを使ったという、いわば標準品的存在だそうですが納得できます。
ウッド末期にはウッドのセミラージというのも出ていますが、これは全く良くありません。ウィルソンのジャッククレーマーのセミラージなんかかなりフレームが弱くて、叩くとボヨボヨいいます。ウッドの標準である69平方インチという面積は、実はとてもバランスのよいサイズなんだと思います。
そういうわけで、もし「ウッドでフォームを矯正しよう」というかないまるの提案に賛同していただける場合は、ラケットは反っていなければなんでもいいといえます。もちろん69平方インチの普通サイズがお勧めです。オールマンを代表とするカワサキ製なら、この用途ではまず問題なく使えるでしょう。フタバヤもいいラケットです。ウッドで試合をやるわけではないので、細かい性能差を追う必要はありません。
ただしガットはきちんと張らないと練習になりません。問題は現在ショップがウッドにガットを張ってくれるかという問題です。2〜3のショップに聞きましたが、張ったことがないので自信がないそうです。細かいノウハウもないので、もしかするとかないまるのほうが上手かもしれません。
ちなみに上の画像のウッドは全てオークションで落札したもので30本ほどありますが、新品未使用品の数本以外はガットが張ってあり、それが近年張り替えた形跡がありません。もちろん性能が出ていなくて練習には使えません。これが一番の問題かもしれませんね。
ラケット史でウッドでもグラファイトでもなくて、唯一異彩を放つのが、ウィルソンのT2000です。鉄製です。
スチールのフレームにガット保持用の針金細工を装着した独特のシステム。その保持金具もまた針金でフレームに巻き付けて固定してあるというものです。発明したのはワニのマークのラコステの創始者であるルネ・ラコステ。1920年代にテニスプレーヤーとして活躍したそうです。そしてこのラケットは、最初はラコステブランドで商品化されました。
これをウィルソンが丸ごと買い取り商品化したのがT2000ですが、ジミーコナーズが使って一躍メジャーになり、ウィルソンで最もヒットしたラケットの一つとなりました。ウィルソンはウッドもありますが凡庸なラケットたちで、T2000の鮮烈さにはかないません。
サンデーストリンガーとしては、このT2000が張れるかどうかというのは大きなテーマです。調査に約二カ月かかり、全豪オープンで張っているTさんにも相談しました。Tさんも年に一回くらい張るそうですが、なんと緊張するそうです。
ウッドと同じで、T2000もガットは昔張ったまま流通していますが、張り替えるとすごくいいですよ。練習用にはウッドですが、仲間をびっくりさせるにはT2000のほうが効果的ですね(^^;)。
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