普通の一本張りの張り方
その7
メインストリングのスタート
初稿 120615
更新 121124
仮引きができたらマシンのテンションを一度外し、本テンション (今回はメイン46ポンド) にして、もう一度引きます。最初から指定テンションで引いた場合はそのまま続けます。
ここでテンションロス (静止摩擦) をとります。
方法は、最初のクランプからUターンして出てきたストリングを、フレームから数センチのところで横向きに押します。
特に古いラケットではグロメットの摩擦が大きい場合にく、ストリングがここにひっかかっていることがあります。そのまま張り上げてしまうと、ボールを最初に打ったとたんにテンションが抜けて飛ばなくなってしまいます。これがいわゆるテンション抜けです。
この静止摩擦を振り切るのが画像の作業です。静止摩擦を振り切ったときは、指に「クっ」という感触が来てテンションロスがなくなります。
ここでフレーム間の中央で押してはいけません。全体のストリングが上がってしまいます。
また、感触がないからといってグイグイ押してはいけません。押すのはストリングの位置の変化にして2〜3ミリです。それで反応しなければやめます。
ここで2〜3ミリではなく、もっと強く押すか、ストリングの中央付近を動かすと、戻すときにマシンのテンション検出機構が反応してストリンギングを引き足すことがあります。プロはこれを利用して、全体のテンションをマシンの設定テンションより平均的に高めに仕上げつつ、テンションを下げたいところ (たとえば端のほうのメイン) は押しを手加減するというワザを使うようですが、アマチュアはロスの除去に徹するのがよいでしょう。テンションを途中で変えたいときは、マシンテンションを変更するのが素人には向くと思います。
なお、ここで使っているNEON-CX21というマシンは、テンションをかけるときに瞬間的に「カタンカタン」と二度引きしますので、この静止摩擦はほとんどの場合なくなっています。
この引っ掛かりは、むしろ新式のストリングマシンで (プロ用でも) 発生します。それは引きガやさしすぎて二度引きがないため静止摩擦を振り切れないからです。またプレストリンギング機能はこの目的にはほとんど役に立ちません。
テンションロスをとったら、矢印の位置でクランプします。これで一本目のメインが完了です。
ショート側を三本張るへ
目次を表示する

かないまるに戻る
