普通の一本張りの張り方
その6
ストリングをセットする
初稿 120620
更新 121124
次はストリングをセットします。
ラケット6本半のストリングを測ります。測った点をA点とします。6本半側がショートサイド、残りがロングサイドです。
ちなみにラケットの長さ (グリップからトップまで)は、ウッドでもデカラケでもおよそ68センチで全部同じです。
ショートサイドをビリヤードの手前の穴に通し、グリップ側で折り返して再びトップのビリヤードの向こうの穴から出します。A点は6本半を測ったときからつまんだままで、画像の位置に来ます。
ストリングを通したら、仮引きと最初のクランプをおこないます。ここだけは低いテンションでおこないます。
プロはストリングを二本引きしてスターティングクランプとフライングクランプを一気につけます。お持ちのストリングマシンが2本引きできる場合はそうしてください。
しかし回転ドラム式では一般に二本引きができないので、以下の方法をご紹介します。
まず先程のA点にスターティングクランプを取り付けます。フレームとの間には当て革をいれてください。ストリングはなるべくフレームから直角にまっすぐ出してください。
曲がっているとスターティングクランプの中に斜めに納まってしまいキズの原因になるのでそれを避けます。
これが当て革です。グリップテープの切れ端で作ったものですが、ボール紙でも結構です。
そのままショートサイドを引っ張り、マシンで引きます。このときのテンションは25ポンド程度にします。つまり通常テンションよりかなり低いテンションで引きます。
理由はスターティングクランプのところでストリングをスリップさせないためです。
もちろんスリップしなければメインの指定テンションで引いても構いません。
(その場合は、二つのクランプは、同時に取り付けることになります)。
引いた状態で、スターティングクランプをつけたのと同じストリングに、フライングクランプを取り付けます。
このクランプの取り付け方法は今後共通なので解説しておきます。
まず、@クランプをストリングの高さにあわせ、Aレバーを押してストリングをクランプします。しっかりしたクランプのためには爪の上下の長さの半分より下を使います。
この場合、同じところばかり使うと内側のヤスリ加工が減りますので、たとえば一番下ばかり使わず、適当にいろいろな場所を使ってください。
次に、Bクランプベース(黄色い部分)の根元を軽く下方向に押しながらフレーム方向に軽く押してクランプベースの横方向のガタをとります。そのままCレバーを引いて固定します。
ここでBで押す力は「ごく軽く」です。ガタ(遊び)をとるだけ。ストリングを押しすぎてテンションを上げてはいけません。この操作でマシンのテンション機構が反応したら、押し方が強すぎです。
なお、最後にノットを作るときには最後のストリングのテンションを上げるのが普通ですが、テンションを上げないで、Bを強くぐっと押し、ストリングを3〜5ミリ移動させることでテンションを上げることも可能です。
このBガタをとり、Cベースに止める作業は張り上がるまで毎回行います。
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