楕円型ラケット

ダンロップ エアロジェル 4D エリート
柔らかいラケットに非常に向くパターン

初稿 120117

さて、実用上は前ページの「上昇張り」でよいのですが、張るときにフレームが目に見えて歪みます。歪みはストリングとフレームに必ず残留します。そこでラケットを歪ませないで張ることにかなりチャレンジしました。マシンの扱いの問題ではなく、ストリングパターンそのものの検討です。

アマチュアがストリングパターンを試せる回数は少ないですが、情報共有のために分かったことを公開しておきましょう。


3) T2000風ボックスA (クロス部分下から上) (参考パターン)

フレームロックのきっかけになった、T2000テニスラケットのボックス張りからヒントを得たパターンです。T2000風ボックスAとしておきます。結論からいうとあまりお勧めではありません。飛ばないのです。しかし考察のきっかけになったのでご紹介しておきます。



ボックスの第一弾はT2000同様にアラウンドザワールドを三周するパターンです。スチール製(鉄製)というと強そうですが、実際に手にするとぐにゃぐにゃで、硬度は全くありません。そういうフレーム材に形を与えているのがボックスです。簡単な図ではわかりにくいので、この図からストリングを引くごとに、その順番を数字でいれてあります。

張る手順は、

ボックスを三周するのがポイントで、さすがにラケットの変形はほとんどなくなります。張っている最中の観察では、ボックス二周目以後はあきらかに変形しにくくなります。面圧分布も上下のかたよりが減ります。

しかし打感はよくありません。硬いし重いんです。飛びません。これはボックスが強すぎてフレームをダンプしてしまうのだと考察しました。エネルギーが球に伝わる前にストリングの摩擦で消えてしまう感じ。

またクロスの最終ストリングが上から4本目になるのも問題です。スカッシュではラケット先端付近は壁際のボールをとるために非常に大切なゾーンであり、この張り方はギャンブル性が高いといえます。

T2000風ボックスB (参考パターン)


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