丸のし
更新 040104
初稿 011221
出来上がった玉は、のし板の上で延ばして、四角い大きな生地にしてゆきます。この作業を「のし」といいます。
のしは細かくいうと4工程あります。まず「丸のし」で丸くして、次に「角だし」で四角くして、次に「肉わけ」により厚いところをなくして、最後に「本のし(仕上げのし)」で希望の大きさに仕上げます。
ではどのくらいの大きさに延ばせばよいかですが、標準的には、そば粉1グラムあたり7.5平方センチに延ばします。厚みが大略1.5〜1.6ミリとなりますので、これを包丁で1.3〜1.4ミリ幅に切ったものが標準的なそばの断面形状となります(切り幅のほうが狭い)。
まず各グラムごとの延ばし面積の目標値を別のページを見て把握してください。200グラムでは30センチ×50センチに延ばすことになります。
では丸のしです。まずのし板の上にうち粉をまきます。ひとつまみをのし板に振りまき、両手で延ばして広げます。延し板の上にまんべんなくまき、木の地肌がほぼ見えなくなればOKですが、最初のうちは多めで結構です。
うち粉の上にそば団子を置いたら麺棒を中央にあてて、そっと下に押しながらゆっくりと丁寧に前後に転がして、そば玉を前後に広げます。
ここで標準的には、玉を回転させながら手のひらで下に押して、あらかじめ大きな生地にする「地のし」という作業をします。しかし200グラムでは、偏平にした段階でほぼこの作業が終わっているとみなせますので、いきなり麺棒でけっこうです。
最初、生地の中央が盛り上がっているうちは生地の中央から前後に押し広げる感じですが、生地の上面が平らになったら、麺棒を端から1センチくらいのところにおろし、そこから反対の端まで転がして行きます。
このとき、押す方向は下向きです。押し広げるのではなくて、下に押して厚みを減らしながら転がすわけです。ただしいっぺんにたくさんつぶしてはいけません。一回に多くても2〜3ミリです。
麺棒が反対側 (向こう側) にいったら転がすのをやめますが、とめる位置は反対の端から1センチ程度のことろです。あまり端まで押すとつぶれて薄くなりすぎます。
麺棒が他端に行ったら、麺棒を手前にカラカラと転がしてきて、もう一度手前から向こうに押す操作を繰り返します。
次第に生地が楕円になり、前後が左右の1.4〜1.5倍程度になったら、玉を90度右に回転させて、正円になるまで同じことをします。正円になったら45度回して同じことを繰り返し、生地を次第に大きくします。
なお、途中で生地をひっくり返すか、打粉を生地の上に軽くまぶすと、生地に打粉がコーティングされて、舌触りがよくなります。
また、この作業中に生地の周辺部にヒビが入ることがあります。生地が固い場合におこりますが、そのときは両手で生地の外側から押すようにして成形し、修復します。生地が丸くならずいびつになってしまったときも、この作業である程度修正できます。これはのしが進んで薄くなると不可能ですが、直径15センチ程度までは可能です。
丸のしが終わったところです。200グラムの場合、丸のしは直径20〜23センチで終了です。
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