生がえしの検討(2)

仕込み


更新 030508
初稿 030216


では仕込みの状況です。仕込み日は、2003年2月16日です。



材料たちです。左の一升瓶はみりんです。手前が家醸。奥が昔仕込み。その右4本は醤油です。右から本膳、はつかり、は表示が見えますね。キッコーマンは特選丸大豆醤油。その左がそば膳です。このそば膳は、古川製粉さんで小分け販売しているものです。

手前の袋は砂糖で、左が和三盆。中央がきび砂糖。その右のオレンジ色はザラメ (中ザラ糖) です。その右はミルサーのボトル。実は今回、少量で作るため砂糖が溶けるのに時間がかかるとまずいので、ザラメをミルサーで粉砕してみました。



これが粉砕後の様子で、完全に粉砂糖になっています。これで実際、かなり溶けやすくなりました。

では仕込みの様子です。

1)計量


まず材料を計量します。材料を増加しながらデジタルスケールの文字が変わるのを見て、文字が変わったところで計量をやめることで、なるべく安定した混合率になるようにしました。

2)みりんと砂糖の加熱

みりんを鍋にいれて中火で加熱。沸騰したら弱火にして泡がひとしきり出るまで沸騰させます。泡がややおさまった時点で一応着火してみて、アルコールが飛んだことを確認します。すぐに計量しておいた砂糖を入れますが、鍋を強く揺すると砂糖が溶けて行きます。




この画像は、みりんと砂糖が溶けた状態です。砂糖が溶けたら火を落とします。今回一番溶けやすかったのはきび砂糖。次がザラメ粉。和三盆は粉末が細かすぎてダマができるせいか、やや溶かしにくい印象でした。

3)砂糖+みりんを容器へ


ここで一度みりんと砂糖の溶解物を、かえしを保存するPETボトルに移します。温度が低いので、鍋の中で蜜状になった砂糖+みりんに醤油を入れてもなかなか溶けてくれません。なので、蜜のほとんどをPETボトルにまず移し、鍋に残ったわずかな蜜と醤油を混合 (これならすぐ溶けます)。で、その混合物をPETボトルにいれて放置し、実際の混合はPETボトル内でやるわけです。

なお上の画像で使っているじょうご (漏斗) は、直径が7センチ程度のもので、合羽橋で150円で買ったものですが、500ccのPETボトルに液をいれるのに今回大活躍です。

4)鍋を冷やす



次の工程で醤油をいれますが、醤油が少量なので鍋が熱いと加熱されてしまいます。それだと生返しとはいえなくなりますので、ここで一度冷まします。

5)醤油と合わせる



鍋が冷めたら醤油を投入します。醤油に対する砂糖みりんの割合はわずか。でも砂糖みりんが飴状になっている上、鍋を冷ましたので実に溶けにくいです。



そこでゴムベラを使い、糖分を念入りに醤油に溶かし込みました。

6)PETボトルへいれる



みりんと砂糖が溶けたら、これをPETボトルにいれて、先にいれた砂糖みりんと合わせます。蓋をしめて軽く揺すって攪拌して出来上がりです。

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今回の仕様、13とおりのかえしの勢ぞろい。仕込みに約3時間かかりました。



ボトル達は床下収納へいれておくことにしました。冷蔵庫以外では、ここが一番温度変化が少ないし、温度も低めになっています。通常私は、本がえしもここで寝かせています。

このほか、パイロットかえしと比較用本がえしも本日仕込みました。両者ともに醤油1リットルで仕込み、2リットルPETボトルに入れました。栓をしないで空気が入れ代わるようにしておこうと思います。

さあ、ではまず3カ月間、まずパイロットかえしの変化を楽しむことにします。そして3カ月経過した時点で全体のテイスティングをどのようにするか判断することにします。

(続く)

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