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サーバーを立てよう
DMSの実例、その2
Windows XPのパソコンを音楽用サーバーにする
その2 設定編
初稿 120331
では、.WindowsXP を DMSにする設定方法をご紹介しましょう。
1) Windows Media Player を11にアップする
WindowsXPのOSだけでDMSを実現するには、Windows Media Player が「11」にアップデートされている必要があります。Windows Media Player のバージョンが10以前の方は、まずWindowsアップデートを行って、Windows Media Player を11にあげてください。
2) DMSの起動
まずWindows Media Player 11を起動し、一番上の空き地を右クリックし、ツール→オプションの順に開きます。クラシックメニューやスキンモードで「ツール」項目があるときは、それを左クリックします。
または、ライブラリのタブを右クリックして「メディアの共有」を選択します。
オプションを開くと、そのなかにまた「ライブラリ」タブがありますので、それを開いてください。「共有の構成」ボタンを押し、□メディアを共有するにチェックを入れてください。
これでOKボタンを押せばDMSが起動します。
自動的に接続可能のレンダラー機器が表示されます。WindowsXPではメディアを共有するレンダラーに許可を与えます。許可を与えない機器からは使えませんので気をつけてください。
許可を与えると緑丸に白のチェック印が入ったマークが付きます。
この画面は、共有を許可したあとは「ライブラリ」タブの共有の構成ボタンを押すといつでも出てきます。
3) 公開するフォルダの指定、追加方法
次に公開されるフォルダの確認と追加指定を行います。面倒なようですが、好きなフォルダを指定できるので、実はとっても便利です。
ライブラリのタブを右クリックしてライブラリの追加を選択します。
詳細オプションボタンを押します。
ここで表示される「監視するフォルダ」というのが、DMS機能で公開されて、機器側で演奏できるようになります。デフォルトではマイドキュメントの下のマイミュージックが「自動的に追加済み」として公開されています。
Ripフォルダというのは Windows Media Player 11のリッピング用のフォルダですが、xアプリやiTunesもデフォルトは通常ここなので、普通はいじらなくてもリッピングした音楽ファイルは公開になります。
もし別の音楽ファイルのあるフォルダがあり、それを使いたい場合や、リッピングフォルダを変更している場合、またを公開したい場合は、「追加」ボタンを押します。
フォルダツリーが表示されますので、公開したいフォルダを指定してOKボタンを押します。
するとリストに「手動で追加済み」という行が現れます。なんとわかりやすい。
OKボタンを押すと、フォルダ内の公開可能なファイルをサーチするダイヤログが表示されます。
サーチは指定している全フォルダに対して行われ、終了するとネットワークオーディオ機器側で再生が可能になります。
4) 追加した音楽データはいつ再生できるのか
監視対象のフォルダに音楽データをドラッグアンドドロップしたようなあと、ネットワークオーディオ機器側で見えるようになるには少し時間がかかります。それは、フォルダにファイルができると直ちに見えるわけではなくて、DMSアプリがリストを作って公開したあとで利用可能になるからです。
このリストの公開は、コレガのNAS「CG-NSC2100GT」の場合だと、なにもしないと何十分もかかります。すぐに再生するには、コレガのところで解説したように、DLNA機能のオフ・オンが必要です。これはコレガNASに搭載されているOSが非力なためで、最近のNASは比較的速いです。また強制的にリストを作りなおすリセット機能をもっているNASもアリマス (B社のNASにはこの機能があるそうです)。
これに対して、Windows Media Player 11のDMS機能の公開は、さすがにWindowsという強いOSがサポートしているため非常に素早いです。
実はあまりに快適なのでどのタイミングで公開されるか詳細に調べたことはありませんが、フォルダへの楽曲コピー操作を何回か行った場合、1〜2回前にコピーした音楽ファイルはもう見えている感じです。
もしコピーした直後にネットワークオーディオ機器側で音楽ファイルが見えない場合は、PC側でWindows Media Player 11でそのフォルダ内のどれかのWAVファイルにアクセスすれば、もう公開されます。アクセスとは、
- コピーした楽曲、又はそれを格納したフォルダを、Windows Media Player 11のライブラリのビューで (フォルダは「その他のビュー」の下にあります)。
- 音楽ファイルの拡張子がWindows Media Player11 に関連づけておき (つまりデフォルトプレーヤーに指定しておき)、コピーした音楽ファイルをダブルクリックする。
(これはWindows Media Player で演奏できない96/24のファイルでも通用します)
などです。
5)どんな音質?
これがわりといいんですね。コレガのNAS「CG-NSC2100GT」 の音質は異例によいと思いますが、PCをきちんと可愛がってあげれば、これはこれでいい音がします。
判断基準としては、音楽ファイルのコピーの仕方による音質差がはっきりわかるようになれば、再生能力は高いと思います。
たとえばUSB-HDDを監視ドライブにした場合は一般的には音質はよくありません。そこでWAVファイルをPC本体 (のIDEに接続されたHDD)にコピーすると、少し改善します。さらに本体HDD内でさらにコピーしたり、NASとの間で一往復コピーするとかなりよくなるのがわかると思います。
ちなみに、リッピング後にコピーすると音質が変わるので、それを「悪くなる」と思い込む人がかなりいるようですが、じつはコピーすると逆によくなる事も多いので、ご自分の耳を信じてくださいね。楽しく聴ければ、それはよい音です。
6) 改善のヒント
改善のヒントは、高音質PCを作ろう、遊ぼう のページに書いてあります。CD-Rを高音質に焼くことをめざして聴き込んだ話ですが、DMSのノウハウとして全く同じことが通用します。評論家の麻倉さんが書いた「麻倉流PCオーディオ」に書かれているチューニングノウハウも参考になると思います。
私のページに書いてあるのはノースウッドコア用のマザボが中心で、対応できるHDDはPATA。これがいまや貴重品ですが、まだ入手は可能です。末期のPATAは本当に音がいいものがあります。捨てる人がいたらもらっています (最近はキュリティーがうるさいこともあって、あまり出なくなりましたが)。PATAはゴミが宝モノになるような楽しさがありますね。マザボはオークションで入手。WindowsXPも、今や非常に低価格に調達できます。
もしノートPCを使う場合は、蓋を閉じても動作が止まらないように電源管理で設定をして、普段は蓋を閉じておくのがよいと思います。ノートPCの場合、電源アダプタのノイズが音質に関わります。バッテリーで動作させるともちろん音質はよくなりますが、それで常用するわけにも行きません。なのでノイズ止めのコアを使ったり、絶縁トランス (PS3でいい音出そうのページ参照) を使ってみたりしてください。ノイズ対策は大いに有効です。
あと意外に効くのがLANケーブルの向き。馬鹿にしてやっていない方は是非試してみてください。システムの感度にもよりますが、追い込んである環境だとものすごく効きますよ。
というわけで、古いWindowsXPのパソコンでDMS。なかなかいいですよ。
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