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かないまるお勧めのソフトたち

ブルーレイ大賞受賞作のご紹介

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DEGジャパンという、ブルーレイやDVDの普及を推進している業界団体があります。ここで一昨年から「ブルーレイ大賞」というのをやっています。2009年に発売された作品が対象の「第二回大賞」。審査結果が、2010年2月18日に発表されました。

このブルーレイ大賞、実はかないまるも審査員の一人です。かないまるが担当しているのは「ベスト高音質部門」「ベストインタラクティプ部門」「ベストレストア部門」の三部門。正直なところ、インタラクティプ部門は意味がわからないし、レストア部門は素人判断ですが、ベスト高音質部門とグランプリ作品は、一応本職の仕事で、きちんと当選を当てました (つまり、かないまるも受賞作品に投票していたということです)。

ここではグランプリとベスト高音質部門の三作品をご紹介しましょう。もちろんいずれも熱烈推薦作品です。


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---愛聴盤・高音質・BD---
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グランプリは崖の上のポニョ

まずグランプリは崖の上のポニョでした。スタジオジブリ作品は、会社のスキー部でスキー場に向かうバスのなかでみた「風の谷のナウシカ」が最初です。「かないさん、絶対感動するよ。これはいいですよ」と言われてみましたが、なるほど大変に感動しました。こういうのは音質だの画質だのは関係ないですね。お勧めディスクにはしていませんが、DVDは持っていて2年に一度はみます (風の谷のナウシカ [DVD])。

その後もいい作品が続いていましたが、ナウシカほどのインパクトは感じませんでした。でもこの崖の上のポニョはいいですね。「ポニョ、人間になる!」というテレビCMが耳についていましたが、映画をみてそのインパクトに納得しました。

この作品の良さは、まず日本式手書きアニメの美しさでしょう。特にBD+大画面で見ると、もうその美しさには圧倒されます。ウォーリーのCGアニメの遠近感は、これはまた別の意味ですごいですが、それとは対極の良さ。油絵と水墨画のように対比できると思います。

音的には、まずセリフの日本語が演技が優れていていいですね。ひとことずつ宮崎監督により魂が吹き込まれていて、つまらない吹き替えの日本語とは格が違います (特典映像にセリフの収録の様子が、声優一人ずつ丁寧に収録されていますが、宮崎監督が丁寧に台本の意図を演者に伝えて仕上げて行く過程がよく分かり見応えがありました)。

で、最も驚くのはバックに流れる音楽が非常によく録れていること。これはビックリ。ただしこれもハリウッド映画とは違うアプローチになっています。ハリウッド作品の場合は、たとえばロンドンフィルが演奏してもホールとは違う「映画音楽」になります。一方ポニョの音楽は、映画なのにホールで聴く風合いです。

理由はおそらく日本にはスコアリングステージはないからで、音楽ホールでの収録しているのではないでしょうか。それが正直に出ている感じです。BDの音はHDオーディオなので、元の収録 (あるいは作り込み) がそのまま伝わる実力を充分に持っています。ポニョの場合「スクリーンと無関係に音がいい」という不思議さを感じます。

実に興味深い。

総合的にみてポニョはとてもよい作品で、テーマ曲「ぽ〜にょぽ〜にょぽにょ魚の子♪」というテーマが聴こえてくるともうわくわくしてしまいます。すなおに鑑賞すれば、しみこむように作品の世界に入れる希有な作品だと思います。




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---愛聴盤・試聴盤・高音質・BD・熱烈推薦---
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ベスト高音質賞、映画部門は「ウォーリー」でした。

この作品は本当にすばらしいです。ポニョもそうですが、昨年は日米に本当にすばらしいアニメ作品ができたと思います。

で、ウォーリーですが、まずなにしろ音がいい。音質的にも演出的にも、こんなにいいのはみたことがありません。特に前半は、二つのロボットしか登場しなくて、セリフがありません (セリフに相当するSEはありますが言葉になっていません)。全ての場面を、音楽とSEだけで作っています。そのきめ細かいさと緻密さと説得力には本当に驚きました。

実写映像作品でも、最近試聴やデモでよく使う「ノー・カントリー」のように微細な音作りにビックリする作品もありますが、映像がリードして音はそれを補間する役割です。もちろん名脇役ですが。しかしウォーリーは、音で映像の世界をぐいぐい引っ張って行くのです。2009年に聴いたすべての作品のなかでも、このウォーリーの音の使い方は極上でしょう。

またこの作品の別の良さは、本当に素直に感情移入できることにあります。宮崎監督と同様で、やはり特典映像を見ると分かるんですが、監督が観客がどうしたら映画に入り込めるか非常にきめ細かく考え抜いていることがこの特典映像で分かります。観客が感情移入する妨げになる構成に気づき、完成間際に作りなおした話なんか、映画本編以上にインパクトがありました。

ガラクタロボット・ウォーリーと、超きれいなロボット・イブのラブストーリー。二時間たっぷり楽しめますよ。そして何度も繰り返し浸ることができる作品です。筋書きを知って見るのが楽しいのは、やはりラブストーリーだけですね。

涙も出るかも。



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---試聴・デモ用・好演奏・好録音・音楽BD・超特選---
---090920推薦済み
---100304再紹介




ベスト高音質賞、音楽部門は「コンセルトヘボウ」でした。

この作品は、すでにNHKのBD作品のところで、昨年の9月にご紹介のものです (ページはこちら)。ですのでお持ちの方も多いでしょう。持ってない方はすぐにゲットしてください。BDプレーヤも持ってなかったら買いましょう。音楽ファンならこれを聴かないのは「もったいない」です。

前回のご紹介で、発売までの経緯や作品の魅力、さらには発売日に起こった、完全を期するための出荷停止騒ぎなどについても書きましたが、その後この作品はどこでデモしても好評。特に生音楽体験の多い方がすぐにその良さを理解してくださいます。大阪の2009年12月のデモでも再生しましたが、参加していただいたみなさんに大満足していただきました。

実はみなさんの表情を拝見しながら再生しましたが、音がでたとたんにみなさんの顔色が変わるのがわかりました。やはり尋常ではなく美しいホールトーンがほんとうによく録れていて、A.P.M.で整えられた環境もあり、演奏会場が映し出された瞬間に「ふっ」とホールが出現します。

まあ「ベスト高音質賞を取るだろうな」と確信できた作品ですが、やはりとりましたね。

お勧めです。


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