オーディオ用NAS RockDisk For Audio

比較試聴
HDD/SSDの音を比較してみました
(結果偏)
151208初稿
結果です。
1)予備知識 その1
その前に、inateck FD2002への振動対策について書いておきます。
これです。予備試聴の段階で、RockDisk For Audio同様に2.5インチHDDの振動起因の音質劣化が顕著しでた。そのまま試聴してもあまり意味がないので、RockDisk For Audio同様に、床との間にゲルを三点挿入し、ピアノの汚れなど、基本的な問題点を除去しました。
面白いのは、RockDisk For Audioと全く同じような変化をすることです。同じような質量のモールド筐体。同じような容量の電源なので、効き方がにているのでしょう。
2) 予備知識その2
もう一点。これはとても重要なことですが、RockDisk For Audio (ネットワークオーディオ)と、USB経由での音(USBメモリ再生)とでは、音質は圧倒的にネットワーク経由のRockDisk For Audioのほうがよいということです。
勿論HDDは別の固体ですが、4個の試料の位置づけはもう明確そのものなのでこれから書く試聴結果は問題なく受け止めていただいて結構ですが、かないまるが、inateck FD2002に限らず、USBメモリ再生で音楽を楽しむかというと、現在のところそれはないと思います。
3)試聴結果
では試聴結果です。述べ3時間にわたりいろいろな楽曲を繰り返し試聴した結果をまとめてたものです。点数の低いほうから書きますが、試聴順ではありませんのでそれは意識しないでください。
なお以下の表現はポールマッカートニーのキスオンザボトムと、レーゼルのピアノコンチェルト(モーツァルト27番)で代表して書いてあります。
3-1)ボールマッカートニー・キスオンザボトムによる評価
この楽曲はドラム、ベース、ピアノを中心とした楽隊の中でポールが独特の味のあるボーカルを披露する楽曲なので、ボーカルのニュアンス、ベースの力感、ピアノの伴奏と間奏の表現の違い、間奏でトップシンバルが作る背景感などがポイントとなります。S/N感などは求めない楽曲です。
4位) SSD サムスン 840EVO
よい点は中高域の分解能がすごいことで、この点は一位のWDグリーンよりよい。ただ背景のシンバルが少し少し目立ちすぎ。間奏部のピアノは少し汚れる。ドラムの背景感はない。ベースがやや弱い。
総じて分解能がすごいことと、SSD特有の硬さがないのがよい点。低域が弱いのがポールではかなり不利。76点。
3位) 2.5インチHDD 「サムスンST2000LM003 2TB」
RockDisk For Audioに搭載されている2.5インチのHDDです。
ゲルありに限った話しだが、ポールのベースの低い帯域がゆったりしていて、ボーカルもありま不満はない。ベースの芯は少し足りないのでノート感はやや希薄。背景のブラシは、少し目立つが空間はとても広く表現する。
間奏部分ではピアノのきついのがゲルでとりきれない。77点
(RockDisk For Audioではとりきれますので念のため)
2位) SSD サムスン 850EVO
SSDらしからぬ厚みがあり、特にベースにニュアンスがある。この奏法の味は第一位のWDグリーンの匹敵する。ただし絶対的な厚みが3.5インチにややおとり、僅差で3.5HDDにゆずる。
間奏のピアノはやや淡々としてしまう。シンバルはとても明瞭で硬さはない。
SSDは電源に敏感だしネットワークオーディオでは表現力が上がるのでRockDisk For AudioのSSDモデルは期待できる。79.5点
1位)3.5インチHDD WD Caviar Green 2TB
厚みがあり、ベースの表現が、ニュアンスではSSDにゆずるがベースには猛烈に量感がある。シンバルの質感はあまりないが、音楽として背景感が見事に出る。
一位といってもかなり僅差で同点でもいいくらいの表現力。
SSDは電源や伝送放棄に敏感なので、RockDisk For Audioでは逆転の可能性あり(RockDisk For Audioでは3.5インチは使えないし。
だしネットワークオーディオでは表現力が上がるので。今回の条件ではSSDは聴き慣れた傾向の音に僅差で音をで、低音の厚みだけ。電源状況で反転しやすいのでヂ希有Intel_coolerしてRockDiskNextの記事を書いていたときの推薦HDDです。いま聴いてもバランスが良い。よい点は厚みのあるベース。ベースには力もあり、リズムをぐいぐいリードする。ピアノは伴奏、間奏で主張が違うが、ドラムやベースとよくなじみ、背景感のある意気な演奏が聴こえる。
3-2) レーゼル、ピアノコンチェルト(モーツァルト27番)での結果
この楽曲はクラシックの代表曲としてよく使うものですが、前奏の弦の弾力感(高域、低域とも)。金管、木管のからみ方。ピアノの純度感、奏法などの音楽的な部分にくわえて、空間のS/N感、ホールトーンの美しさなどを意識して聴いています。
4位) 2.5インチHDD 「サムスンST2000LM003 2TB」
よい点はベースとステージの低音の響きがしっかりでることです。いわゆるベース帯域の少し下ですが、かなり量が聴こえます。
一方音場がフラットで広がり不足。バイオリン・ビオラ・ピアノの純度はぎりぎりでした。78点。
チョットがっかりだったので、ネットワークで一階にあるRockDisk For Audio(HDD)を呼び出してみましたが、ものすごくよく聴こえました。同じHDDなのにです。RockDisk For Audio、ネットワークオーディオの実力、チューニングでここまで行けるかという感じでした。
3位)3.5インチHDD WD Caviar Green 2TB
今回の条件でクラシックを聴くと、WDグリーンは実力を発揮できない感じです。僅差ですが3位になってしまいました。
よい点は空間が大きく、ステージの充実感があることです。これは一位のSSDと競うほどよかったです。問題はバイオリンが汚れたり管楽器が抜けてこないなど、スキマがあるべきところが若干目詰まりしていました。これは大きなモーターを回すには電源容量が全然足りない感じです。80点。
2位)SSD サムスン 840EVO
やっぱりクラシックではSSDは強いですね。かないまるが硬さを感じて評価をしていない時期でも、クラシック中心の評論家はSSDモデルはよいとおっしゃっていました。
よい点はなんといっても分解能。弦が多少汚れていますが、全部の楽器が聴こえるのがSSDらしい。ステージ自体はやや狭く、この点は3.5インチHDDのほうがよかったです。81点
1位) SSD サムスン 850EVO
いやー、すごいです。弦が全く汚れませんし、金管も生々しい。木管ではフルートが自然に広がり、弦との絡む様子も見事。それが大きな空間に広がりました。分解能もよくホール空間の大きさがよく分かります。ゲルについてはこのSSDに限ってはないほうがやや自然でした。
いやー、これは奇跡のSSDですね。先日fidataで聴いた闊達さまでは行きませんでしたが(当然ですが)、fidataSSDの音をこのSSDが支えているのは間違いないです。85点。
結果は以上です。順位そのものはあまり重要ではないと思いますが、USBドライブとして使うという条件のなかで傾向をつかめました。
まとめると、ポールではSSD 850EVOと3.5インチWDグリーンがいい勝負をしました。クラシックではSSDが優位にたちましたが、840EVOとWDグリーンが僅差勝負なのはともかくとして、850EVOの良さにはぶったまげました。
結局のところ、RockDisk For Audioでは3.5インチは使えないので、WDグリーンは使えません(そもそもRockDiskNextと違いRockDisk For AudioはHDDのユーザによる換装は至難ですが)。一方、SSD 850EVOの良さが確認できました。それも予想外によい。
というわけで、RockDisk For AudioのSSDモデルを注文することにしました。ひょっとするとRockDiskNextの後継として推薦できるかもしれません。
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