ストリング備忘録
ミズノの厚ラケ EXPZ 250Hz
初稿 120218
かないまるは、クズみたいなラケットをオークションで集めてストリンギングの練習をしてきました。知っているラケットメーカーはだいたい張りました。その後しばらくウッドラケットに凝っていましたが、フォームの修正がかなりうまく行ったので、最近また10〜20年前のラケットを張り始めました。
以前はとにかく入手したものを片っ端から張りましたが、今回はそうした中でおもしろいラケットを中心に張って、少しじっくり感触を楽しんだり、また張り方のバリエーションをやってみようと思っています。
今回ご紹介するのは、ミズノが作った厚ラケ「EXPZ 250Hz」というものです。
普通のラケット。やや細目のフレームに見えますね。これが横から見るとすごいんです。
いやー、厚い厚い。一番厚いところで34ミリもあります。
厚ラケの元祖であるウィルソンプロファイルと並べてみました。形はほぼ同じ。でもウィルソンは一番厚いところは32ミリくらいなので、それより厚く、薄いラケットです。
厚ラケは面がたわまないことで反発性を高めるという思想です。250Hzというのは恐らくラケットの一次モードの共振周波数でしょう。高いほど硬いということになります。250Hzというのがいいのか悪いのかはわかりません。
ストリングマシンへのセッティング状況です。
冗談じゃないですね。かないまるのストリングマシンでは限界に近いです。Kクランプの下の台座から落ちそう。ギリギリでゴムにひっかかってなんとか張れました。
今回のテンションはメイン48ポンド。クロス45ポンドにしました。ストリングはナイロンストリングのレプロス。メソッドはごく普通のゴーセン張り(ロングサイド先)です。
所見としては、メインを張り進むに連れて中央付近のテンションがどんどん下がりました。メインを張り進めるにつれて、先に張った中央付近のメインの弾き音が低くなるのがはっきりわかります。張り進めるにつれてフレームが横に膨らむように(縦方向では縮むように)変形したせいでしょう。
クロス45ポンドは決して低くないと思いますが、張り上がりでKクランプにまだがっちり食いついていました。張っている途中でぐにゃぐにゃする変形感はほとんどなく、剛性の高いワッカという感じですね。楕円形状は常に保たれている感じなので、ボックス張りなどを試すより、クロスをもっと強くして見るのが次のステップでしょう。
タイオフノット
今回のタイオフは、ノット編でご紹介した
USRSAの「Variation of Standard Tie-Off Knot (スンダードノットのバリエーション)」を使ってみました。
ストリング先端がフレームに倒れずにピンと自立し、とても綺麗なノットで気に入りました。手間はパーネルノットと変わらないので、しばらく使ってみようと思います。
打感
使ってみた感じです。いやー、これはいいですね。まずテニス仲間の目をひきます。なにしろ厚いので。「厚っ」で話題がとれます。
また打音、打感は今のラケットには全くないものです。驚くべきことに、ウィルソンプロファイルより硬い。打音もパキーンという感じで、ガットだけで打っているような音がします。
ボールはラケットの進行方向よりは面の向いている方向に飛びますね。慣れれば狙ったところにボールを運ぶことが可能ですが、最初はちょっとした面のブレに敏感なので戸惑いました。ウィルソンプロファイルが飛び重視のなかにもコントロール性を確保していたのと違い、ミズノはとんがったバランスだと思います。
ちなみにコーチは一目見たとたんに「あ、それ見たことがあります」とおもしろそうにしていました。一時期とても話題になったという感じでしたね。
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