ウィルソンのローラーグロメットラケット
ハイパーハンマー3.1
Wilson Hyper Hammer 3.1 With Rollers
初稿 130511
1)ハイパーハンマー3.1とは
2013年春現在愛用しているラケットです。以前はRIM1.5でしたが、年齢的に重く感じるようになり切り換えました。2000年秋発売という非常に古いラケットですが、250グラム、デカラケ、厚ラケ、ローラーグロメットの打感は軽くて最高です。かなり古いわりには今でもオークションなどで入手可能。現在、状態のよいのを3本持って常用しています。
2)ローラーグロメットとは
ストリングは通常フレームにある穴を往復しますが、このラケットは左右6個ずつローラーが仕込んであり、そこを往復させるようにストリングを張ります。ボールが当たったときのショックをローラーを通じて隣接するストリングも負担するという原理で、厚ラケにありがちな単調な反発ではなく、ボールを抱え込んでリリースするような独特の打感があります。反面、非常に張りにくい欠点があります。
3)ダンパー
非常に大きな面積を持つこのラケットにはダンパーが必須です。ラケットのスロート側フレームはB部です。一見フレームにみえるCは飾りフレームで、内側にウレタンスポンジのスリットがあり、そのスリットをとおしてストリングを張ることで振動をダンプする設計になっています (ダンパがないとストリングが跳ねすぎてコントロール性が著しく落ちます)。
ところがウレタンゴムは10年ほどで加水分解してボロボロになるもので、実際現在残っている本モデルは例外なくダンパーゴムがありません。そこでかないまるは、D部にワームタイプのダンパを仕込んで使っています。
4)張り方は二通り
このラケットは、プリンスのオースリー (大穴グロメット) 同様、張りパターンが自由にならないタイプです。クロスを走らせる方向を間違うと、ストリングがローラー往復できないからです。
「一本張り」の場合は、クロスは下から上へしか張れません。トップサイドに一個しかないタイオフホールとローラーの位置の関係で、ATW (アラウンドザワールド) ができないのです。
トップ付近は通常のポリエチレングロメットですが、穴を大きくするのも得策ではありません。このラケットはごく初期の中空カーボンファイバー製ですが、素材強度が高くなくて簡単にクラックが入りやすいからです (同じ理由で、フレームを硬いところに当ててしまうと簡単にクラックが入り著しく飛ばなくなります)。
一方「二本張り」は上から下にしか張れません。クロスのタイオフのアンカーストリングがクロス自身なので、上から張らないとアンカーが存在しないからです。
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