その3
薄い板厚
初稿 090210
裏板のトメビス部のアップです。
これが半抜きの状態。しっかりした木ねじがつかわれています。普通の鍛造の鉄製だと思います。
ビスを外したところです。ビスは通常木部で受けずに座金を入れますが、ハーベスの座金は黄銅製です。外して確認まではしていませんが、旋盤加工の引き物で、裏側には鬼目加工 (食い込んで回転止めになるような加工) はしてなく、木部に二段穴を空けて打ち込んであると思われます。
座金のサラ角は鳴きの点で重要です。サラが浅くてビスの中央部だけで当たるようにするとビスの鳴きが聴こえてしまい、深くして外周で当たるようにすると鳴きが悪くなります。
ハーベスの場合は、ビスとほぼ等角にしてビスの凹凸で消極的な食い込みを作り、座金と一体化するような感じに設計してあるようで、非常にアタマの大きいビスを使ったのと近い効果があると思われます。
裏板を外したところで厚みを計ってみました。11ミリしかありません。
ツイータを外したフロントバフル部です。メジャーは9ミリですが、ツイータパネルのざぐりがあるので、フロントパネルはやはり11ミリとわかります。
実は側面も天下も同じで、全体が結構薄い板でできています。ただし積層は9層もあり、化粧表面と合わせると10層もあります。おそらく米松合板ですが、スピーカ用の合板でしょう。
ではこんなに薄くていいのか。後ほど考察しましょう。
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