連載記事
ハーベス・モニター4の技術ポイントと
ツイーターの修理記録
その1
ハーベスモニターHL4がまた断線
初稿 090209
・愛用のハーベス
勉強会のページにも登場するので、かないまるがハーベス・モニター4を愛用していることはみなさんご存じでしょう。「何処で買えますか」という質問がきますが、買えません。もう20年も前の商品で、補修部品すらないスピーカで、かないまるの宝物です。
しかしハーベスモニター4は、音がでているもので現存しているのは、恐らくきわめて数が少ないと思います。
実はこのモニター4。グリルネットはありません。ボリウレタンフォーム製のグリルは10年前に溶けてなくなりました。JBLのエッジなんかもそうですが、昔のポリウレタンは加水分解でボロボロになってしまうんです。音はいいが寿命が短いんですね。JBLのエッジは張り替えてくれますが、ハーベスのグリルは入手できません。
しかし一番困るのは、ツイータが断線する持病があるということです。

ハーベスモニター4に使われている、オーダックス社製のツイーター。音は大変にいいんですが、とても断線しやすいのです。ボイスコイルがエッジづたいにひきだされているんですが、エッジの振動で銅線が繰り返し屈曲され断線に至るようです。
まだ補修用のツイーターがあるうちに入手しておいた方は別として、断線するとそこですてるしかなくなります。かないまるのハーベスも、実は断線経歴があります。切れたとき、すでに補修用のツイーターはありませんでした。
・オーダックスのこのツイータは、切れるが治せる
ところがスピーカの設計者が「なおしてあげようか」と言ってくれたのです。
後ほど画像をお見せしますが、使用されているオーダックス製のツイータは振動板アッセンブリがヨークから簡単に外すことができて、「視力と根気とハンダ付けの腕」があれば、断線箇所をつなぐことができます。
きわめて細かい作業が必要で、その時なおしてもらったものは二カ月後に再度断線しました。ハンダ付けが離れてしまったのです。そこで自分でもう一度つないでみたら、それからずっと生きています。
それから半年して反対チャンネルの同じところが断線しました。これはもうなおし方がわかっているので自分で修理。
このとき左右チャンネルともに切れたのは、どちらもボイスコイルの巻き始めでした。しかし、今回は巻き終わりが断線しました。比較的ストレスが少ないと思われる側ですが、やはり寿命は来るんですね。今回は左チャンネルですが、きっと間もなく右も切れるのでしょう。
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さて修理の様子をご覧に入れますが、ついでにダッドリーハーウッドが最後に設計した名品「モニター4」の中身を、解体のついでに撮影したので、総合的にご覧に入れましょう。
このコンテンツは久しぶりにフレームではなく,ページめくりスタイルでごらんいただきます。