かないまるの
カルス培養土園芸

3) 資材について


初稿 211105
更新 211212


試作第一ロットをご紹介するにあたり、資材についてまとめて書いておきます。第一ロットは配合などは考え考え進めたので、試作記事中に記載して行きます。結果は良いようなので、第一ロットの記事が一段落したらレシピ (土壌計画書) を作りましょうね。

1)用土
    これまで述べたように、用土は何度も使っている土です。培養土では一度使うと粉々の部分 (微塵) ができて水はけを悪くしますが、カルス培養土では抜く必用がありません。

      カルスNC-Rが有機物を分解すると糊のようなものができて、微塵はこの糊にからめとられて腐植土というものができます。腐植土はさらに粒径の大きい用土同士をくっつけて「団粒構造」を作ります。腐植部分は保水性がありますが団粒構造は穴だらけなので水はけがよくなります。結局微塵は役に立つので抜く必用がないのです。微塵抜きは従来型培養土作りではもっともつらい作業なのでうれしいです。

    結局カルス培養土作り用の用土は、古い土から鉢底石を抜くだけです。
    根が張って鉢底石がコロコロとれる場合はそれで完了。崩れてしまった場合は9ミリメッシュで篩います。この作業はメッシュが粗いので楽です。



    鉢底石を抜いた古い用土です。黒い葉や細かい木屑は前回の培養土で分解され残った腐葉土です。堆肥としての性能はもうありません。
    この腐葉土の残骸は、今回のカルス培養土化でカルスNC-Rに分解されてなくなります。
    白いゴマ塩は崩れたバーミキュライトです。今までは微塵として抜けるサイズですが今回は残っています。

    なお、カルス培養土は連作にも強いそうです。カルスNC-Rを使っているプロ農家には平気で連作をしている方が多いそうです。かないまるにどこまでできるかわかりませんが、今回から連作を気にしないで行ってみようと思います。

2)堆肥類
    基本的には使いません。

3)石灰資材
    日本の雨は酸性なので、酸度調整に必用なものです。かないまるは苦土石灰とハイパワー苦土石灰を等量混合で使っています。



    苦土石灰というのは元々は珊瑚などが作った石灰の固まりが海中ある内に、石灰の一部がマグネシウムに置き換わって、その後固まった「ドロマイド」という岩石をくずしたものです。自然由来の資材で、混ぜてすぐ使える資材で安価です。カルシウムとマグネシウムの比は2対1だそうです。

    ハイパワー苦土石灰は、苦土石灰にヨウリン、マンガン、ホウ素、腐植酸、鉄、ケイ酸を配合したものです。数年前に苦土石灰と半々で混ぜてみたら花が元気になったので、それ以後使っています。わりとお高い資材なので、今も苦土石灰と半々にしています。


4)肥料資材
    これもいままで使っていたものを使えばいいそうです。
    かないまるは有機配合肥料と発酵鶏糞を使っています。



    有機配合はサンアンドホープ製の555タイプです。緩効性の有機分60%が。残り40%が即効性の化成肥料分です。
    肥料はいろいろ使いましたが、初期の成育がよく、なおかつ肥切れしにくい感じなので、ここ数年はこればかり使っています。



    発酵鶏糞は都路(みやこじ)ファーム製。鶏糞肥料としては窒素が少なめ、リンサン、カリが多めです。
    近くのホームセンターにありますが、検索しても出てこない不思議な商品。
    珍しく作る野菜であるキュウリの味がよくなると聞いて、何年か前から入れています。
    鶏糞は施肥してから一週間くらいおかないと苗が傷むそうなので、従来型培養土では石抜きのフルイのときに入れていました。フルイ作業は土が分散するので混ぜる手間がひとつ減るので堆肥混合のチャンスなんです。

    ところで、肥料は完成培養土の容積に対して施肥量を決めます。しかしカルス培養土は発酵で草がどのくらい減るのか分からなかったので、第一ロットの二回目の内部検証中に体積減少の様子を把握して施肥しました (その7)をご覧ください)。

5)カルス関連資材
    • カルスNC-R
    リサール酵産さんが作っている土壌菌資材です。



    カルスNC-Rは有機物を分解する土壌菌です。分解中に植物に有毒なガスを出さない菌が選ばれているので発酵途上に作付けができます。むしろカルスのガスは植物の成長を促すそうで、植え付け後の成育がよくなるそうです (法律的制約でリサールさんからは公開できないそうですが)。有機物を残して使い始めることで土壌菌の生存期間が長く、成育ガスも出続けるというのは、なかなか合理的ですね。

    カルスNC-Rには粉状タイプと顆粒タイプがありますが、かないまるは健康上の理由で粉は使えないので、10s袋しかない顆粒タイプを買いました。

    • 有機物
    カルスNC-Rに分解されて堆肥 (正確には腐植) になる原材料です。



    有機物はなんでもいいそうです。
    花が終わったとき、そこに残っている残渣 (茎、葉、根)がまず使えます。野菜作りでは収穫後に緑の茎葉が残りますが、青い色の残渣は発酵の材料となる窒素が多いでベストな有機物だそうです。

    画像は庭に生えていた白粉花を裁断したものです。
    裁断はこの量だと機械を使わないと大変ですが、かないまるは垣根用の剪定トリマを使って切りました (後日公開)。

    でもこんな青いのは例外で、花作りでは花が終わるときは茎葉も枯れかかっていることが多いし量も少ないものです。まず残ったものは全量使いますが、足らないときは雑草を使います。

    となりの駐車場は管理会社が雑草を刈らないのでかないまるがボランティアで刈っていますが、この秋は刈り取った草をカルスNC-Rの餌としてキープしておきました。このほか垣根の剪定屑、台所の生ゴミなどが使えるそうです。

    • 米糠
    リサール酵産さんは、米糠の使用を推奨しています。
    カルスNC-Rは有機物を分解するときに窒素を食べますが、青々とした植物残渣は窒素が残っていることを意味し、窒素の追加は基本的には要らないようですが、カルスNC-Rの起爆剤として添加するとよいそうです。
    茶色いところがある枯れ始めた草は窒素が減っているので必須と考えます。



    米糠は「近所に精米所があればもらえる」とガーデニングのページによく書いてありますが、そうは甘くないです。かないまるはメルカリで買いました。


    • その他窒素資材
    枯れ葉を使う場合は米糠では窒素が足らないので、さらに硫安、油粕などを使うとよいそうです。かないまるも硫安には挑戦中です。


6)その他の菌資材との関係
    作物上面から土壌面に散布するタイプの好気性菌資材があります。


    たとえばこれ。菌力アップ。有名だそうです。今年は土壌の状態がどんどん悪くなりましたが、紹介されてカルスNC-Rより先行して使い始めました。すでに従来型培養土に植え込みが終わったパンジーほか、全ての苗類にまいていますがが、たしかに元気です。

    しかし、カルスNC-Rと両方使って問題ないか、心配なのでリサール酵産さんにききました。
      Q) 菌力アップとの併用は問題ないですか?
      A) サンビオテックさんの菌力アップは存じでおります。
        他社微生物資材との併用は何ら問題ありません。
        多種多様な微生物を活かすことにより相乗効果が期待できます。
        ぜひカルスと有機物・米ぬか等を活用し、微生物たっぷりの土をお作りください。
    オッケーのようです(^^)c



    フローラとGET。これも有名品ですね。かないまるは追肥は液肥を使いますが、この二つをすこしづつ入れています。

    液肥は昔は大きなタライに溶いて、カラス口付きのバケツで鉢に流し込んでいましたが、今は散水ホースの入り口にベンチュリー効果を使った液肥供給器を付けたので、散水と同時に施肥ができるようになりました。上記添加剤の倍率などは液肥供給器について書くときに一緒に書きますね。

    次回はカルス培養土の仕込み試作の第一ロットを公開します。




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